儲けないがいい

中島セイジ【著】

• 販売会社／発売会社: アチーブメント出版
• 発売年月日: 2009/11/02
• JAN: 9784902222784

商品レビュー

2016/06/25

あり方と生き方が自分の未来のためになるのか、人のためになるのか、社会のためになるのかという3つの基準をもとに考える
義を優先、社会性のある使命、凡事徹底、儲けようとしない、リスクの先取り覚悟

2011/12/20

株式を公開している企業に勤めていると、株主への配当を意識した利益を挙げる経営に偏ってしまうことがあると思いますが、日本全体の企業から見れば中小企業の割合は数でみれば全体の９９％を占めているので、中には特徴的な会社もあると思います。この本で中島氏が示しているのは、「儲ける」ことよりも大切にしている会社を紹介しています。

そのような方針を長く貫きながらも、最終的には適度な利益をだして従業員を養っていける経営者は素晴らしいと思いました。また、この本では素晴らしい会社を紹介する一方で、自分で生産をしない国が、システムを考えたり、ルールをつくったりするだけで経済を左右することについて疑問を投げかけています。難しいことですが、今後も考えていかなければならないポイントだと思いました。

以下は気になったポイントです。

・人のためにすることとなったとき、初めて「仕事」という概念が生まれる（ｐ６）

・上杉家は会津１２０万石から米沢２０万石へと改易されたが、新田開発や換金作物の栽培によって、実収で５０万石へと引き上げた（ｐ３５）

・財政再建のプロである二宮尊徳の経済復興策として、「分度」と「推譲」があるが、「分度」とは、過去の納税額から平均を算出して向こう数年間の税額を決めること、「推譲」とは、余剰利益をインフラ整備（井戸、水路、農道整備等）に充てた（ｐ３９）

・効率を目指す企業は「利」しか生み出さないが、「情動力：人と人、企業と社会という関係を大切にした判断や行動をとる」を備えた企業は「義」がわかる、義をいくつも重ねることで「徳：１００年と継続させる力」を生み出すことができる（ｐ４９）

・佐市のスーパーが惣菜で成功したカギは、レシピを全て捨てて、マニュアルなしで従業員の自分の舌を信じて惣菜を作って提供したこと（ｐ６８）

・ヒューマン効率を目指す経営は、人間が成長することを前提に考えている、人間的な常識や人への思いやりを身につけることの結果である（ｐ８０）

・セレンディピティとは、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力や才能を指すことで、ふとした偶然をきっかけにして幸運をつかむこと（ｐ１０８）

・セレンディピティを上げるためのポイントは、１）試行錯誤を繰り返す、２）感性を磨くための整理整頓、３）出会いの頻度を上げるためにセミナー参加、読書、新体験、４）人間性を磨く、である（ｐ１１３）

・屋久島の縄文杉や無農薬りんごがその力を発揮できたのは、自分で必要な養分を地中から吸い上げ、大きな幹や枝葉を支えている根の力があったから（ｐ１１８）

・マニュアルや研修による学習は、自分で研ぐことをせずに、そのルールやノウハウを短期間でつまみ食いをするもの（ｐ１３０）

・今回紹介した経営者に共通することは、１）世の中や他人の動向にブレることの無い強い意志、２）人の思いや心情を理解できる能力、３）多くの人に支持される、である（ｐ１４６）

・リスクを前提に疑ってかかるのが「規制安心社会」、リスクはあるがそれを覚悟した上でお互いに信用しあうのが「信頼覚悟社会」である（ｐ１６１）

・「あり方」を考え、「生き方」を選択することは、自分が従事する仕事の意味、仕事の価値を再認識すること（ｐ１８１）

・今から１０年後にやってくるファインスピリット時代への５つの法則とは、１）先義後利、２）存在理由、３）積小為大、４）ヒューマンスケール（：人に合わせた経済ルール）、５）性善説、である（ｐ１８６）

2010/02/16

かなり理想論が強い、が嫌いではない。
正直な商売が永続的に続く企業に成長する。

頑張ろうとモチベーションを上げてくれた。