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葛野盛衰記
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2009/10/31 |
JAN | 9784062158466 |
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葛野盛衰記
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商品レビュー
3.5
28件のお客様レビュー
大好きな作者であり、文章のリズムも合っていると思っています。しかし、星は3つかなあと思いました。 多才な作者の多彩な作品、平安期を舞台にした他の作品も面白く読みました。この度も平安時代そして中世が舞台ではありましたが、趣は大きく違い、それが多才ぶりを表していると思います。 平安京...
大好きな作者であり、文章のリズムも合っていると思っています。しかし、星は3つかなあと思いました。 多才な作者の多彩な作品、平安期を舞台にした他の作品も面白く読みました。この度も平安時代そして中世が舞台ではありましたが、趣は大きく違い、それが多才ぶりを表していると思います。 平安京ができるまで、そして、平安京から政治の中心が移るまでと大きくは二つの舞台、それが第一部と第二部として書かれています。約400年の時間の流れ。 一章ごとに、精緻に描かれています。章が変わると、思いのほか時間が経っているのですが、なぜか、その大きな時間の流れが感じられません。すーっと読み進みます。しかし、それは仇になるようで……。登場人物間の関係がうまく心に残らない、引っかかってこない。系図が欲しいなあ、と思っていたら巻末に実在の人物の系図がありました。ネタバレにつながるから巻末にしたのかもしれませんが、冒頭にほしかったな。そして、この作品のために登場した人物の繋がり、人物との繋がりを明らかにしながら読み進められたらもっと面白かったと思います。自分で系図を書いていればよかったのでしょう。 本作の主役、主族、彼らの位置づけがというか、彼らのかかわりがあまり書かれていません。山頂近くに降った雨がすぐに地中に潜った感じ。それが章の切れ間のあたりで小さな泉のようにわずかに湧き出てきます。そして、結末近くになって、扇状地の端っこで奔流となるように現れます。そのためか、一冊を通して語られている主役の動きが章とのからみで読み取れない感じがします。それが、読後感の何とも言いようのない不思議な感覚となりました。 松林の中でいったい何が企まれ、どんな進み方をしたのか、ずっと伏せられたまま話が進み、松林を厭う者たちが主役と思いきや、読み終えてみるとそうではなかった。 けっこう読後にいろいろと考えるには難しい作品でした。 藤原薬子について、なるほど、と面白く拝読、 章ごとに中心となっている人物の描写は本当に面白く引き込まれました。 地下水の流れを読み切れなかった分、難しかったです。
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葛野大路、葛野、葛野川・・・京都では市中から少し外れたその場所を中心に物語はゆっくりと展開する。遠く寧楽の都から乙訓に、御所、下賀茂の糺の森、六波羅と主人公を変えながら進む語りの中心は兄国と弟国の相克と交わり。操るのは地霊なのか人なのか。ゆるゆると立ち上る怪は時代の流れの中に姿を...
葛野大路、葛野、葛野川・・・京都では市中から少し外れたその場所を中心に物語はゆっくりと展開する。遠く寧楽の都から乙訓に、御所、下賀茂の糺の森、六波羅と主人公を変えながら進む語りの中心は兄国と弟国の相克と交わり。操るのは地霊なのか人なのか。ゆるゆると立ち上る怪は時代の流れの中に姿を替え相を変え、人々の営みの中に巨大な力となり人を飲み込んでゆく。平氏とは何だったのか、天皇とは、貴族とは、歴史を作ったのはだれなのかをまったく別の視点から読み起こした不思議な物語。読後の本の余韻がめまいのようにどこかを揺らし続けるのはなぜだろう。
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「人は人を呼び、やがてその土地には地霊が力を張ってゆく。ますます人を呼び寄せる。それが都です」 時々前に戻り登場人物を再確認したり史実と照らし合わせ時間をかけて読了しました。 途方もない大きな物語ですが読み終えてみれば、過ぎた歴史はあっというまでした。 何人も何人もの人々の人生...
「人は人を呼び、やがてその土地には地霊が力を張ってゆく。ますます人を呼び寄せる。それが都です」 時々前に戻り登場人物を再確認したり史実と照らし合わせ時間をかけて読了しました。 途方もない大きな物語ですが読み終えてみれば、過ぎた歴史はあっというまでした。 何人も何人もの人々の人生も一瞬でした。 秦氏、鴨の一族、宴の松原、多治比の一族、下鴨神社、糺の森、広隆寺などなど。 時代は移ろい、焦点のあたる人物も藤原縄主、薬子、平宗子、頼盛と変わっていき興味深いのだけど、恋愛などの心模様に頼り過ぎていたような気もします。心情を描く部分を少しだけ割愛し、政権などの時代背景を盛り込んでもらえたらとも・・・。でも、これが本作の味わい方なのかもしれませんね。
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