日本で一番わかりやすい経営戦略の本 基本理論から最新理論まで

安田貴志【著】

• 販売会社／発売会社: 日本能率協会マネジメントセンター
• 発売年月日: 2009/10/30
• JAN: 9784820717522

商品レビュー

2012/03/25

著者は大学卒業後、マーケティングリサーチやコンサルティング等の業務を経た後、総合通信販売の会社にてマーチャンダイジングアドバイザーやマーケティングマネージャーとして活躍。現在は、モノの価値を変える情報や、その情報を提供するインフラを構築するIVCに参画。様々なクライアントを大将にコンサルティングや新規事業開発に従事している。

著書に「はじめて学ぶマーケティングの本」「絵でみるマーケティングのしくみ」「マーケティングセンスが身につくトレーニングブック」等多数。

本書は、はじめて経営戦略を学ぼうとする人・勉強したことがあるがあまり覚えていないという人を対象としている。

この一冊で、経営戦略の全体像を把握し、主要な戦略を一通りカバーし、企画書、提案書、報告用資料の作成から、取引先との円滑なコミュニケーションというあらゆる場面で活躍することを目的とされている。

はじめに「経営戦略とは何か」を説明したのち、フレームワークの説明を「自然農法の食材を使ったレストランの開業」を題材にしてケースで説明している。
構成は大きく分けて以下の６章。
①経営戦略とは何か
②経営戦略の基本
③戦略策定のための分析ツール
④競合との戦いに勝つための競争戦略
⑤競争戦略としてのマーケティング戦略
⑥会社を飛躍させるためのイノベーション戦略

本書は、ひとつずつのフレームワークを単発として説明しているのではなく、経営戦略を立案するためのプロセスになるべく沿った形で各ステージごとに使用するフレームワークについて、実際に例を示しながら説明することでその理解を容易にしている。

フレームワークや用語についても
SWOT分析・PPM・PEST分析・３C分析等。
多数が紹介されており、教科書のような説明ではなく、よりわかりやすい言葉で説明されていることから復習にはもってこいの一冊となっている。

戦略立案の本で共通して感じることとしてやはり大企業を対象とした考えとしては非常に有益であるものの中小企業にそれをあてはめようとするとやはりかなりのアレンジが必要となってくる。

戦略立案において大切なステップである現状の分析とあるべき姿の設定においてそのギャップが大きすぎる点。まずはやるべき事が中小企業であるとスタート地点に立つために行うこととしてやることが多く、そして優先順位で考えると生き抜くことからはじめるというのはしょうがないこととなってしまう。

もちろん中小企業においても素晴らしい企業は多く大企業においても然り、各企業によってそれも変わってくることであり、その企業にあったプロセスを踏むために私達自信が基本をまず固めその方法を少しでも企業に合わせた形で活用していくことが必要であると再認識させられた。

導入本とは言えども体系的に学べる本は少ないので十分おすすめできる一冊である。