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昼が夜に負うもの ハヤカワepiブック・プラネット
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昼が夜に負うもの ハヤカワepiブック・プラネット

ヤスミナカドラ【著】, 藤本優子【訳】

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昼が夜に負うもの ハヤカワepiブック・プラネット

定価 ¥2,310

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2009/10/25
JAN 9784152090751

昼が夜に負うもの

¥1,430

商品レビュー

4.1

8件のお客様レビュー

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2021/06/21

「カブールの燕」「テロル」が素晴らしかったので期待し過ぎたのか、これはちょっと期待外れ。たしかに最後の一章が感動的であるためにはたくさんの伏線が必要で、そのためにはこの長い前半も必要なのだとは思うけれど...ヤスミナ・カドラの作品の中では薦めないかな。

Posted by ブクログ

2012/07/13

とてもいい訳でストーリーも飽きさせない。ただ、ちょっと予定調和過ぎかなとも思った。良い意味でも悪い意味でも小説的。ヤシンの『ネジュマ』の超わかりやすい現代版ともいうべきか。

Posted by ブクログ

2011/08/07

『社会というものは、若い世代がどれほど血気盛んかでその価値が決まり、若者たちの生きのよさと横柄さが社会を新しくいていく、とのことだった』 煎じ詰めれば確かに愛の物語と呼んでもおかしくはない。色々に張り巡らされた状況設定をきれいに取り除いてしまった後に残るのは、ロミオとジュリエッ...

『社会というものは、若い世代がどれほど血気盛んかでその価値が決まり、若者たちの生きのよさと横柄さが社会を新しくいていく、とのことだった』 煎じ詰めれば確かに愛の物語と呼んでもおかしくはない。色々に張り巡らされた状況設定をきれいに取り除いてしまった後に残るのは、ロミオとジュリエットのような解り易いドラマであると言っていいだろう。しかし、この小説の描く時代と土地のことは背景として読み飛ばしてしまうことができる筈がない。 異邦人、ということばがむくむくと頭の中に湧いてくる。幾つかの異なる歌のフレーズも浮かぶ。そんな歌の言葉やカミュの小説のことを思い返すまでもなく、異邦人は差別する側の意識にも当然存在するけれど、むしろ差別される側の意識に根付くものだと思う。そのことがこの小説の中ではますます強調されている。「選べ!」と言われて積極的なモラトリアムを選んでしまう結果、選択を強いられた場所からは異邦人となる。モラトリアムからは生涯抜け出せない。 誰もが多かれ少なかれ異邦人的思いに捕らわれることはあると思う。例えば新しい学校やクラスの一員となる時。その時に感じる強制的な過去からの切り離しと新しい社会への組み込み、受動的な感じ。それは叫びだすほどではないけれど大いなる違和感ではある。たとえ元からの知り合いが居たとしても、その時に感じているのは孤独感であると思う。まして転校となると、自分も経験があるけれど、入学のようにある程度誰もが同じように異邦人的である状況とは異なり、既に出来上がってしまった社会へ好むと好まざるにかかわらず入り込んで行かなければならず、しんどいものだ。そのしんどさの予感と不安感が自らを異邦人化してゆく負のエネルギーとなる。 その時に感じている孤独感、異邦人的感覚というものは、結局のところ「受け入れられていない」との思いに(たとえそれが自分自身の思い込みに過ぎなくとも)根差すものであると思う。この小説は、その外へ気圧されるような思い、そのことを強く意識する小説だと思う。そしてそれが一つの社会からだけでなく、白か黒かというような二色に分かれている社会の両方から強制される思いであったとすると、その苦悩について想像するだけで身もだえする思いに駆られる。主人公が理性的であろうと葛藤すればするほどに、その苦悩が読む者の側にも自身のこととして忍び込んでくる。 しかしそれが故にこの小説は魅力的でもある。最近、米国の移民二世・三世の書くものが面白いと思っていたのだけれど、この小説を読んでしまうと、それらの作家の描く日常の悩みなども所詮はぜいたくな悩みと呼んでしまうことのできるものに過ぎないのか、とも思えてしまう。愛の物語の部分は、ひょっとしたらなくてもよかったのかも知れない、とも思ってしまう。 異邦人。自分の来し方を思わず振り返ってしまう。帰去来とも言うけれど、本当に自分の帰る場所はあるのか、エトランゼ。

Posted by ブクログ

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