完全版 ゴッホの遺言 中公文庫

小林英樹【著】

• 内容紹介: 2000年日本推理作家協会賞受賞作を改訂した決定版。画家でもありゴッホ研究に取り組む著者が、ゴッホの代表的な作品とされる、ある「スケッチ」について絵画法の観点などから、贋作であることを証明し、彼の最期のメッセージを読み解き、自殺の真相を浮き彫りにします。
• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2009/10/25
• JAN: 9784122052185

商品レビュー

2014/07/13

何年か前のゴッホ展で買った絵葉書が壁に貼ってあるが、たしかに「スケッチ」は、これとはずいぶん違うなあ。言われてみれば絵心のない人でも納得できるな。ゴッホ展で、部屋の再現までしてたけど、この絵の凄さは全然わかってなかったと反省。ひろしま美術館の「ドービニーの庭」も、この本読んでから見るとまた違っただろうに。帰りに買ったんだもんなー。贋作とか、自殺の原因とか、そういうことも確かに興味深くはあるけれど、そんなことどーでもよくなるほど、ゴッホの絵は人の心を惹きつけるよね。

2011/06/22

　単行本の『ゴッホの遺言』の衝撃を今も忘れられず、装いも新たに完全版として文庫化されたのを機に再読してみた。

　単行本版は間違いなく五つ星の傑作だったが、文庫版は違う本を読んでいるような感じがした。

　贋作をめぐる考証は相変わらず見事だが、贋作者を追求する姿勢や、ゴッホ自殺の真相を追求する姿勢が、極端に薄れている気がする。
　あれは若気の至りでしたと言いだしかねないかのような熱の冷めようだ。

　完全版という看板は取った方が適当だ。修正版とか転向版とかにすればいい。

　なにか良い思い出を汚されたような気分がする

2011/01/30

おもしろい。
ゴッホの人生や死をその作品や書簡から読み解き、真相を明かそうとする推理小説。
ゴッホに興味ある人は、是非読んでほしい。ゴッホの作品やその生涯に関する新しい見方がみえる。