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けものたちは故郷をめざす 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 1970/05/25 |
| JAN | 9784101121031 |
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けものたちは故郷をめざす
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けものたちは故郷をめざす
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商品レビュー
3.9
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敗戦を迎え混乱する満州。 満州で生まれ育った青年・久三は両親を亡くし、戦争を経てロシア兵にかくまわれている。 ロシア兵たちとは穏やかに過ごしているけど、故郷日本への想いに次第に焦燥感を募らせていく。 ある日、南へ向かう列車が出る事を知った彼は脱出を決意するが… そこからは最後まで...
敗戦を迎え混乱する満州。 満州で生まれ育った青年・久三は両親を亡くし、戦争を経てロシア兵にかくまわれている。 ロシア兵たちとは穏やかに過ごしているけど、故郷日本への想いに次第に焦燥感を募らせていく。 ある日、南へ向かう列車が出る事を知った彼は脱出を決意するが… そこからは最後まで息がつけない。寒さと飢え、疲労と恐怖。共に南を目指すことになった謎の男・汪(高)は、敵か味方かもわからずずっと疑心暗鬼。 いつまで読んでも極寒の大地が続き、状況は過酷になるばかり。 日本を知らない久三。だけど彼を突き動かしてきたのは「自分は日本人だ」という強い想い。厳しい道程を経てきたからこその、あのラストにはクラクラ… 自身も満州からの引揚げを経験している安部公房。父を発疹チフスで亡くし、市内を転々とし苦労してやっと乗れた引揚げの船中でもコレラが流行していたとのことで、その過酷さは想像がつきません。 「終りし道の標べに」と併せて、安部公房自身の引揚体験談もどこかで読めないかなぁ。探してみよう。
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満州で育ち、引き揚げ時に苦労したらしい著者。 どこかで「満州は非常に近代的だった、云々」と満州について語っていたインタビューを、目にしたことがある。 物語はフィクションではあるが、当時の著者自身の体験が潜んでいるような気はする。 そう思わせる生々しさが所々に散見される。 逃げ出...
満州で育ち、引き揚げ時に苦労したらしい著者。 どこかで「満州は非常に近代的だった、云々」と満州について語っていたインタビューを、目にしたことがある。 物語はフィクションではあるが、当時の著者自身の体験が潜んでいるような気はする。 そう思わせる生々しさが所々に散見される。 逃げ出しても逃げ出しても……ラストも壁が立ちはだかる。 ぐるぐると荒野を堂々巡りする。 生への執着と、根なし草の孤独。
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人の生存本能を描き切る文章力、凄まじいものがあった。当たり前のように満州生まれの芸能人がいるが、その苦労は底知れない。 自身のアイデンティティもよくわからない、誰が敵で誰が味方なのかもわからないが、遺伝子的には日本人の血を汲んでいる。日本の領土を出ると日本は敗戦国であり、日本人...
人の生存本能を描き切る文章力、凄まじいものがあった。当たり前のように満州生まれの芸能人がいるが、その苦労は底知れない。 自身のアイデンティティもよくわからない、誰が敵で誰が味方なのかもわからないが、遺伝子的には日本人の血を汲んでいる。日本の領土を出ると日本は敗戦国であり、日本人には多くの敵がいる。だから日本を故郷として、安寧の地を求めてそこに帰ろうとするが、心の故郷では全くない。政治的混乱に巻き込まれた人々の混沌とした当時の状況が、本作からははっきりと伝わってくる。国が始めた戦争から生まれる難民問題、決して軽視して良いものではない。 国を追われて荒野を彷徨う描写、そしてそこで浮かび上がってくる人間の動物的な本能。ジョン・スタインベックの怒りの葡萄を彷彿とさせるものがあった。
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