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リボンの騎士(文庫版)(1) 手塚治虫文庫全集
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リボンの騎士(文庫版)(1) 手塚治虫文庫全集

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リボンの騎士(文庫版)(1) 手塚治虫文庫全集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2009/10/08
JAN 9784063737134

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リボンの騎士(文庫版)(1)

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商品レビュー

4.2

14件のお客様レビュー

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2024/07/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

女の心と男の心を持って生まれたサファイア王子。 王位の座を狙い、自分の息子を王位につかせようとサファイアを邪魔するジュラルミン大公とナイロン卿。 女の心がほしい悪魔。 サファイアが変装した姿の女の子に心奪われてしまった隣国の王子・フランツ・チャーミング。海の上で出会った海賊・ブラッドなど、サファイアを取り巻く人物関係が明確で面白い。

Posted by ブクログ

2023/05/27

▼「リボンの騎士」手塚治虫。初出1953年「少女クラブ」版。講談社文庫。今、講談社の手塚治虫文庫全集で読めるもの、を読みました。「リボンの騎士」は1953年から「少女クラブ」で。1963年からほぼ同内容がセルフリメイクで「なかよし」に連載。今回読んだのは(また一般に今「リボンの騎...

▼「リボンの騎士」手塚治虫。初出1953年「少女クラブ」版。講談社文庫。今、講談社の手塚治虫文庫全集で読めるもの、を読みました。「リボンの騎士」は1953年から「少女クラブ」で。1963年からほぼ同内容がセルフリメイクで「なかよし」に連載。今回読んだのは(また一般に今「リボンの騎士」とだけ呼ばれている漫画は)「なかよし」版の方だと思います。 ▼再読です。他の手塚漫画と同じく、高校生くらいの頃に読みました。30年以上ぶりに、今度は小学生の娘との付き合いで。 ▼架空欧州風ディズニー風世界のとある王国シルバーランド。そこの王女のサファイヤは、とにかく事情があって女子なのに男子だとして育てられた名剣士。色々あって一瞬だけ女子に扮装したサファイヤに一目惚れをした、隣国ゴールドランドの王子・フランツ。要はこの二人が最終的に結ばれるまでの物語。 ・男女の心を適切に入れて赤ちゃんにする、天使たち。そこから使わされたお調子者の天使・チンク。サファイアに男女両方の心を飲ませちゃった責任をとって下界に降りて、サファイヤを見守ったり実際に守ったりする。 ・シルバーランドの王位簒奪を狙う悪者たち。 ・フランツを我がものにしようとする悪魔(女性)。我が物というのは、「お婿さんにする」という意味。  などなどの要素が入り混じって、もう、とにかくエンタメ要素がこれでもかコレでもかと、恐ろしいまでの密度で押し込まれた作品でした。すれ違い、誤解、嫉妬、自暴自棄、暗殺毒殺、追放と放浪、偏見と悪意、魅力的な悪役・脇役(悪魔の娘)・・・もちろん、男装の令嬢、フィジカルに戦える女の子、ファンタジーとハッピーエンド。ちょっと、詰め込みすぎですね笑。 ▼改めて、手塚治虫さんって天才としか言いようが無いなあ。そして、8歳の娘が2023年に読んで、大興奮の止められない止まらないでした。 ▼この手のファンタジー世界って、ディズニー作品ももちろんそうなんですが、いつ頃のどこがドンピシャイメージなんでしょうかね。風俗その他から考えるに、鉄砲がまだ出てこないし、蒸気機関車や蒸気船もない。やっぱり中世でしょうね。1500年以前のヨーロッパ。金髪もいるけれど、黒髪のラテン系も混じるから、地域としてはフランスや北イタリア、南ドイツあたりとかなんでしょうかね。

Posted by ブクログ

2022/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

手塚治虫が本当の天才、進み過ぎていた事が良く分かる。(1)と(2)共通です。 1.精神入れ替えのアイデア まだストアードプログラム式のコンピューターが普及していなかった時代に人間の人格をソフトウエアベースであるとして記述している点が早熟過ぎる。 脳科学の発達で性自認の問題、性同一性障害はソフトウエア=精神の病では無く、ハードウエア=脳の構造の問題=男脳と女脳の問題である事が解明されたが、それにしても凄い。 サファイヤ姫には男のOSと女のOSの両方がインストールされてしまったのだ。 しかし、プラスチック王子には何方もインストールされず、ズバリ「腑抜け」であったが、サファイヤ姫からアンインストールした男のOSをインストールすると賢王となり、サファイヤに王権を移譲する前に男女同権、離婚の権利等数々の民主的改革を断行したのであった。つまりこの改革でサファイヤは女性で王位につけたのである。 最近、「女性に皇位継承権が無いのはミソジニーだ」と我が国は国連に勧告されている。 本作はサファイヤ姫を狂言回しに戦後民主主義を高らかに歌い上げた物とも思える。 2.今日LGBTの方々とその人権問題がクローズアップされ当事者である作家の作品から、単なる興味本位の勘違いまで多種発表されているが、そうした物をひっくるめてその先駆けである。 3.他作への影響 神様手塚であるから当然そういうのが多い。 1)池田理代子の「ベルサイユの薔薇」こちらは血なまぐさい歴史絵巻であるが、面白いのは後書きが本作とソックリな事である。民主主義の立場に立っているのは同じ。 2)萩尾望都の「11人いる!」人生の内1回だけ性別が変えられたらというお話し。民主主義や女性の人権の問題につながる可能性を持ちながらそういう方向に展開しなかった。 3)高橋留美子の「らんま1/2」こちらの場合、性自認は同一性を保ち瞬時に肉体の性別が変る。その点では手塚の「メトロポリス」のミッチイに近い。此方は手塚や池田とは真逆で、性別が瞬時に変わる主人公を晒しものにして女性蔑視、性的少数者蔑視の笑いを展開する、民主主義や人権とは相いれない漫画。女性の状態の「らんま」が乳房を露出させて「私、女なの」と女性の求愛者に言う件はサファイヤがウーロン侯の妹を前にして行った行為と全く同じ。但し手塚には女性蔑視の意図は無い。 4)上山道郎の「悪役令嬢転生おじさん」異世界の貴族令嬢の精神に中年の地方公務員の精神が憑依すると言う、ユニークな設定。ただ、令嬢と公務員の記憶と意識には連続性がある。心底優しく、堂々と正論を言ってのける近年希な漫画作品。完結していないので詳論は避ける。 4.キャラクターの感想 1)サファイヤ:運命に翻弄されるだけで、個性的な設定のヒロインにしては印象が薄い。 2)フランツとヘケート:私に言わせるとフランツは男の風上にも置けない。ヘケートの臨終の際、彼女は見難い姿に変る自分を愛するフランツに見せたくない一心でフランツを遠ざけるが、フランツはそれに従う。本当に立派な男なら、恋愛感情が無くても、自分を自らの命と引き換えに救ってくれた女の子にそんな事は出来る筈が無い。どんな姿に変ろうとしっかりその腕に抱きしめて看取ってあげる筈だ。これは手塚の読者への問いかけかも知れない。ヘケートは宮崎駿のモンスリーに(死なないが)影響を与えていると思える。 3)ブラッド:最初サファイヤに求愛するが、それが敵わなくても、筋を通した立派な生き方を貫き、敢え無く亡くなってしまう。男らしい海の男であり、松本零士のハーロックや宮崎駿のダイスの原型に思える。 4)ガマー:牢屋の番人であり、本当に改心しているのかと読者をヒヤリとさせる描き方を手塚はしている。 5)ヘル夫人:フランケンシュタインのポリドリの様な役柄。自ら作り出した娘のヘケートに女性らしい優しい心が欲しくてサファイヤの女の心を狙う。 そんな事をしなくてもヘケートは優しい女の子の心を持っていたのに気づかない。教育ママ(古語)の反映か。 ヘケートの心は清らかで優しいばかりでなく、正義感と献身に満ちていたので、母娘共々命を落とす事になる悲劇。 優しい気持ちの読者の少女ならきっとブラッドが可哀そう、ヘケートが可哀そうと泣いたのではないだろうか。その辺まで手塚は考えていた様に思える。

Posted by ブクログ