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日本の山と高山植物 平凡社新書485
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日本の山と高山植物 平凡社新書485

小泉武栄【著】

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日本の山と高山植物 平凡社新書485

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 2009/09/15
JAN 9784582854855

日本の山と高山植物

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商品レビュー

4.5

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2024/06/07

本州中部では、標高800mぐらいまではカシやシイなどの常緑広葉樹、標高1600mぐらいまではブナやミズナラなどの落葉広葉樹、標高2500mぐらいまではシラビソ、コメツガ、トウヒなどの針葉樹、森林限界を超えると、ハイマツや高山植物がそれぞれ分布する。垂直分布帯は1km北上するごとに...

本州中部では、標高800mぐらいまではカシやシイなどの常緑広葉樹、標高1600mぐらいまではブナやミズナラなどの落葉広葉樹、標高2500mぐらいまではシラビソ、コメツガ、トウヒなどの針葉樹、森林限界を超えると、ハイマツや高山植物がそれぞれ分布する。垂直分布帯は1km北上するごとに1m下がる。 森林限界は7月か8月の平均気温10度に一致する。北アルプスの場合は岩塊斜面が存在するため、森林限界はそれよりも200~400m下がっている。花崗岩系の岩塊斜面は森林が成立しにくく、安山岩の溶岩がつくる岩塊斜面は森林が成立しやすい。 ハイマツは雪に覆われることによって冬を乗り越えるため、樹高は積雪の深さにほぼ一致している。ただし、雪解けが遅れるところにはハイマツは分布しない。ハイマツは痩せ地に強く、岩のゴロゴロしたようなところでも育つことができる。 ハイマツの生育できないところに高山植物が分布する。コマクサ、タカネスミレ、ウルップソウ、オヤマソバなどの高山荒原植物群落は、不安定な砂礫地にあらわれる。雪解けが早く、土壌の栄養状態も良い場所には、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、コバイケイソウ、ハクサンボウフウ、ハクサンイチゲなどの高茎広葉草原が分布する。雪解けが遅く、乾燥する場所にはチングルマ、アオノツガザクラ、コイワカガミなどの雪田植物群落が分布し、雪解け水の供給がある所には、ハクサンコザクラ、イワイチョウ、ヌマガヤなどの湿性草原が分布する。高山植物はほぼ100%が多年生植物で、光合成によって得たエネルギーを根などに蓄えて、毎年少しずつ成長する。 南アルプスは、鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳が花崗岩からなるのを除けば、他はすべて砂岩や泥岩を主体とする四万十層群の堆積岩類でできているが、北アルプスは火成岩類が圧倒的に優勢である。剣岳周辺や立山、鹿島槍ヶ岳、常念岳、野口五郎岳には花崗岩が分布する。白馬岳や薬師岳などには流紋岩や溶結凝灰岩が現れる。穂高岳や蓮華岳、針ノ木岳は安山岩からなる。白馬岳の北の乗鞍岳や焼岳、鷲羽岳、立山の浄土山は、安山岩からなる新しい火山である。 ジュラ紀付加体は日本列島の骨格を形成している。九州、四国の南半分と紀伊半島南部、赤石山脈、関東山地、高尾山や三頭山をつくる小仏層は、白亜紀から中新世にかけての堆積物の付加体である四万十帯が分布する。 1000万年ほど前に貫入した花崗岩によって、瑞牆山、金峰山、甲武信岳、昇仙峡、西沢渓谷などがつくられた。長瀞や四国の大歩危、小歩危は、プレートの沈み込みに伴って、付加体が地下深くに引き込まれて高温高圧の下で変成岩になったもの。 伊豆・小笠原原弧の移動によって、1200万年前に巨摩山地、800万年前に御坂山地、600万年前に丹沢山地、100万年前に伊豆半島が衝突した。 赤石山脈や木曽山脈は、50万年ほど前からの横からの圧力によって逆断層が生じ、楔形に抜け出した部分が隆起することでできたもので、現在も隆起は続いている。飛騨山脈は300万~140万年前に隆起したもので、現在はテクトニックな隆起を終えている。 尾瀬ヶ原は、8000年ほど前に日本海への対馬海流の流入が復活して多雪がもたらされたために、泥炭が堆積することによって高層湿原になった。 亜高山針葉樹林はヒプシサーマル期にほとんど姿を消してしまった。南アルプスや関東山地、奥日光あたりでは、4000年ほど前にシラビソなどのモミ属を中心とするものが復活したが、雪が多すぎる出羽山地では復活せず、偽高山帯が成立した、との説が一番すぐれたものとみなされている。

Posted by ブクログ

2011/05/30

[ 内容 ] 雪と岩、のびやかな稜線、豊かな高山植物…。 美しさ溢れる日本の高山の自然を読み解き、充実した山歩きを楽しむ。 [ 目次 ] 第1章 世界の中の日本の山 第2章 高山植物の分布と生活 第3章 日本の高山植物の起源 第4章 ヨーロッパアルプスにはなぜハイマツ帯がないの...

[ 内容 ] 雪と岩、のびやかな稜線、豊かな高山植物…。 美しさ溢れる日本の高山の自然を読み解き、充実した山歩きを楽しむ。 [ 目次 ] 第1章 世界の中の日本の山 第2章 高山植物の分布と生活 第3章 日本の高山植物の起源 第4章 ヨーロッパアルプスにはなぜハイマツ帯がないのか 第5章 高山の地質・地形と植物群落 第6章 岩塊斜面はいつできたのか 第7章 地質の成り立ちとプレートテクトニクス 第8章 山の成り立ちと山地の地形 第9章 氷河時代とその影響 第10章 火山と火山活動がつくり出す植物群落 第11章 特異な植生分布 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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