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倦怠の華
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倦怠の華

ピエールロチ【著】, 遠藤文彦【訳】

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倦怠の華

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2009/09/20
JAN 9784891767419

倦怠の華

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商品レビュー

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2011/10/02
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ピエール・ロチまたは、ピエール・ロティの名前を知っている日本人がどれくらいいるだろう。 芥川や三島に詳しい人ならご存知なのかもしれない。 ピエール・ロチは、フランス海軍の軍人であった。彼は職業柄、世界中を旅し、そこそこで経験したこと(虚構も交え)を書物にして発表した。 時は19世紀、パリをエグゾティスムという風が席巻していた。次から次へと世界を案内してくれるロチにフランス人たちは大いなる異国趣味を益々掻き立てられ、評価は高まり、ロチはアカデミー・フランセーズの会員となった。 アルジェリア、ブラジル、NY、チリ、イースター島、タヒチ、ハワイ、シスコ、セネガル、トルコ、トンキン、モロッコ、エルサレム、ペルシア、インド、中国、エジプト、アラビア他、日本にも2度来日している。 最初の来日の折、鹿鳴館の舞踏会にも出席している。当時、西洋のものを取り入れるのに必死だった日本人に世界中を回っているロチは、さぞや洗練された紳士にみえたであろう。 2年位前に、ロチの著作を5.6冊読んでみた。 処女作の『アジヤデ』は、工藤庸子さんの訳で新書館から新しく出されていて読みやすいが、ほかの著作は入手しにくいものも多かった。 殆ど、時系列に読んでいった。トルコ、アフリカ、ブルターニュと読み進み(肝心の『ロティの結婚』は手に入らなかった)、『お菊さん』『お梅が三度目の春』で日本に至ったときは失笑するしかなかった。 彼は日本に憧憬を抱いていたが、来日して、私たち日本人を見、文化に触れるなり、強烈にこきおろし、ロチが日本でメジャーでない理由はこれかと(笑)しかし、なかなかロチの文章は抱腹絶倒の域にも達していて、ロチも単にお金目的だった期間限定のお妾さんを再来日の時に尋ねてみたりと憎めないところがある。 さて、そのロチの新しい訳書が出版されたというのでワクワクしながら手にとった。 『倦怠の華』 ん、、、何とも惹かれるタイトルじゃないか。 「君の倦怠と僕のそれとでもってちょっとした花束をこしらえてみよう」 ますます惹かれる主題だ。彼らにとっての花とは「話」のこと。ロチの花は「たんぽぽ」相手のプラムケットは「マリーゴールド」。 プラムケットとは、リュシアン・エルヴェ・ジュスランのことで、ロチより1つ年下で海軍士官学校の後輩にあたる。 ロチが海上で描くものは真っ先にプラムケットが目を通し、アドバイスや感想や批評を与えたらしい。プラムケットは作中にも登場し、『倦怠の華』では、対話の相手として登場する。したがって、この書物は共著ということになる。 『倦怠の華』は、時系列でいけば、『アフリカ騎兵』の次の著作にあたる。作品集4編の中の1編で、内容も異色ということでマイナーな作品となっている。日本では尚更だろう。 内容は、世界を回っている二人の会話である。脱線多発。最後はプラムケットの遺言で終わっているが、現実に彼が死ぬのは81歳である。

Posted by ブクログ

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