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六〇〇〇度の愛 新潮文庫
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六〇〇〇度の愛 新潮文庫

鹿島田真希【著】

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六〇〇〇度の愛 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2009/08/28
JAN 9784101279718

六〇〇〇度の愛

¥330

商品レビュー

4

9件のお客様レビュー

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2017/02/25

大変面白かった。物語はかんたんにいえば、主人公である女(私)と青年が長崎で出会い愛し別れる話だ。解説によれば、マルグリット・デュラスの小説二編が元になっているそうだ(ちなみに解説は明晰な文章で好感を持った)。 この解説にもある通り、本作(というか鹿島田真希作品は、というのがただ...

大変面白かった。物語はかんたんにいえば、主人公である女(私)と青年が長崎で出会い愛し別れる話だ。解説によれば、マルグリット・デュラスの小説二編が元になっているそうだ(ちなみに解説は明晰な文章で好感を持った)。 この解説にもある通り、本作(というか鹿島田真希作品は、というのがただしいのだろう)「語り」の魅力にあふれている。畳み掛けるようなリズム、箴言のような力強さのある言葉の連なり。たとえば――「女は黙り込む。煙のような哀しみが彼女を横切っていく。女は青年の慮りを河に泳ぐ魚のように捕まえて、逃がす。それは自覚してはいけないことがらなのだった」(P176)――象徴的でもあり、毅然としている「語り」。 とりわけ面白く読んだのは、ふたりの繋がりの距離感が文体において描かれている点だ。どういうことか。本作は三人称の語り(正確には複数人称?)なのだが、会話がカギカッコなしで、そのまま地の文で綴られる。 ========== どうしたの? 女が尋ねる。 僕、まだ乳香の匂いがしますか? 青年が言う。 するわよ。女は嘘をつく。 (P110) ========== それが次第に「女は言う」「青年は言う」などの発語主体の文字がなくなり、ふたりの会話がまるでモノローグのように一体となり、交歓する。 しかしふたりの心の別離とともに、それは再び現れて、物語のなかでもふたりは別れてしまう。登場人物の交歓と別離を文体によって見せることで、読者としての自分も一体化し、そしれ切り離されていくような情感が湧き、他の小説のまったく違う体験をしたように感じた。 他の鹿島田作品も読んでみたいと思わせる、すぐれた小説だった。

Posted by ブクログ

2015/05/17

初めから入り易く、カッコを使わない会話も好きです。難しいことはわかりませんが、私も渇いているんでしょう。長崎に行けないけど行った感じで楽しめました。

Posted by ブクログ

2014/10/28

読みなれない文体、宗教的知識、感情移入できない登場人物…と完読するまで、時間かかった。ただ、ノーモア長崎、ノーモア原爆は共感。

Posted by ブクログ

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