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もつれた蜘蛛の巣 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2009/08/24 |
JAN | 9784042179108 |
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もつれた蜘蛛の巣
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商品レビュー
4
11件のお客様レビュー
図書館で借りたが読み終えられず、時間切れで返却。残念。昔はモンゴメリのどんな物語も読めたものだが、タイパの時代だからか。
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登場人物が多くてややこしいが、オールドミスの女性への励まし、一度は失われた愛や友情の復活、憎悪から愛への反転、といったモンゴメリの得意なテーマが盛りだくさんで、期待を裏切らない展開。そういえば赤毛のアンも、後半になってくればアンが主役から外れて、子供や周囲の人々の色恋沙汰が散りば...
登場人物が多くてややこしいが、オールドミスの女性への励まし、一度は失われた愛や友情の復活、憎悪から愛への反転、といったモンゴメリの得意なテーマが盛りだくさんで、期待を裏切らない展開。そういえば赤毛のアンも、後半になってくればアンが主役から外れて、子供や周囲の人々の色恋沙汰が散りばめられていたなあ。そういう、村を主人公とする群像劇が得意であり、それだけ人間観察が得意だったのだろうな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「赤毛のアン」より、本人不本意なアンスピンオフ連作集が好きな自分にはこちらの方が面白い。 ダーク家とベンハロウ家というひとつの共同体が主人公(?)です。 この血族は結婚相手を基本的にお互いからしか選ばない、一歩間違えたら近親相姦一族。 その家族の中で代々伝わってきた「水さし」という家宝。 いきさつや実物も出てきますが、そんなにすごいか??というしろもの。一族以外は骨董としての価値しかないでしょう、みたいな皮肉な描写がモンゴメリらしい。 赤毛のアンを読んだことなく、高畑監督のアンのイメージしか知らない方はモンゴメリの作風を優しく清らかと勘違いしているかもしれませんが、かなりの皮肉やです。 リンバロストの乙女なんか読んだらわかりますが、そういう朝ドラヒロインしか知らなかった読者にとって、ちょっと意地悪でお馬鹿さんなアンは等身大のニューヒロインとして熱狂的に愛されるようになったわけです。 さて、特定のヒロインこそいませんが、核となる女性は何人か出てきます。 まず、美少女ゲイ。美女という表記をすべきでしょうが、ティーンエイジャーはどうしても少女のイメージ。さらにゲイのロマンチックな気質や意地悪あざとい従姉妹ナンと比べてのへたれぶりはどう考えても少女。彼女は水差しなんかよりできたばかりの彼氏に夢中。けれど、一族の男ではないという理由で反対されている。 次にジョスリン。幼馴染と恋に落ちて結婚。しかし初夜にドレス姿から新居から逃げ出して別居。その理由は? さらに文学少女こじらせちゃったオールドミスマーガレット。家庭を夢見ながら、おどおどまわりを気にして居候。マーガレットのへたれぶりに一番共感したけど、そんなひと多いんじゃないかな。 途中、独身こじらせちゃった男と婚約するのですが、そのふたりのやりとりが「ああああ」となる痛さ。 ほかに戦争未亡人連合から突然情熱が墓場からよみがえるドナ。しかもその相手がよりにもって嫌いだったアイツ。 彼女らの恋愛(?)模様もさることながら、ほかもいろいろ事件が起こり、そこにこの水差しが微妙に絡んできてとにかくおかしい。 結末もモンゴメリらしく、物語のお手本のような終わり方です。 みずさしの行方もね。 アンで有名な作者ですが、ほかの作品もなかなか面白いっていうか、なにせ物語作りの基本を押さえて代金ぶんきっちり読ませる職人ぶり。 これだけのものをかけが彼女が、生涯自分を縛り付け、ほかの作品を書く機会を結果的に奪った赤毛のあの子をだいっきらいになってしまうのはいたしかたないことかもしれません。
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