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大東亜戦争の真実
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大東亜戦争の真実
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本書は、東條英機元首相による東京裁判に提出される為に起草された宣誓供述書を収めたものである。著者は東條元首相の孫にあたる方である。著者によると、元首相の宣誓供述書を平成10年に神田の古書街で偶然発見したとのことである。戦後すっかりGHQの政策により歪曲された歴史に洗脳された日本国...
本書は、東條英機元首相による東京裁判に提出される為に起草された宣誓供述書を収めたものである。著者は東條元首相の孫にあたる方である。著者によると、元首相の宣誓供述書を平成10年に神田の古書街で偶然発見したとのことである。戦後すっかりGHQの政策により歪曲された歴史に洗脳された日本国民に真実の一石を投じたい(という意味に前書きを読んで私が判断した)思いで本書の発行に至ったという経緯を述べられている。 本書の内容は私個人の読後印象で恐縮ではあるが、精一杯当時の状況を当事者として知りうる事を正直に語った文章であると感じた。特に個人的に眼を引いた内容の一つを以下に述べる。 日独伊三国軍事同盟締結の理由 本書では、松岡洋右元外相が東條元首相に「今や米国の対日感情は極度に悪化しておつて単なるご機嫌取りでは回復するものではない。ただわが方の毅然たる態度のみが戦争を避けうることを得せしめるであろう」と答えたと供述している。これがどこまで真実であるかは、様々な立場をとる複数の専門家からの判断を総合して判断するしかないであろうが、単に主に左翼的立場の歴史家が述べるような、侵略戦争遂行のために軍事同盟を締結したという安直な判断では片付けられないことは伺える。 他にも、当事者として知りうる情報等が200ページ以上に渡り縷々記述されているが、詳細は本書に譲るとしよう。その記述範囲は主に第二次近衛内閣成立以降から大東亜戦争(太平洋戦争)開戦までの1年半の経緯が詳細に記述されている。尚、この宣誓供述書が起草されたのは昭和22年12月19日東京市ヶ谷に於いてである。 本書に収められた供述内容を総合すると、主に右翼的立場の歴史家が述べる歴史観とよく合致している内容となっている。真実は左翼的立場、右翼的立場はたまた別の視点からの真実があるのか、闇の中であるが、あらゆる視点からの情報をタブーとすることなく語られることによってのみ真相に近づくことができるのであろうと思う。 尚、この供述書は戦後GHQによる占領期間中(昭和27年に主権回復するまで)は発禁文書であったことも付記しておく。 本書は当然ではあるが一般読者を意識して記述されたものではなく、極東国際軍事裁判所提出用の供述書であり、しかも60年以上前の文体であるため、非常に読みづらい文章ではあるが、当時の状況を考察する上での価値の高い史料であることは間違いないだろう。専門家だけには留まらず、日本の近現代史に興味をもつ一般読者には必読の書であると思う。
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