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地球全体を幸福にする経済学 過密化する世界とグローバル・ゴール
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2009/07/25 |
JAN | 9784152090577 |
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地球全体を幸福にする経済学
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原著のタイトルはCommon Wealthだから「共有の利益」「豊かさの普及」といったところか。国単位の経済活動のような視点ではなく、環境、人口、貧困を解決するための大きなビジョンを掲げている。 CO2濃度を工業化以前の2倍以下に保つためのコストは世界の年間所得の1%以下、人口...
原著のタイトルはCommon Wealthだから「共有の利益」「豊かさの普及」といったところか。国単位の経済活動のような視点ではなく、環境、人口、貧困を解決するための大きなビジョンを掲げている。 CO2濃度を工業化以前の2倍以下に保つためのコストは世界の年間所得の1%以下、人口増加を抑えるための政策の導入には富裕国の年間所得の0.1%以下、極度の貧困をなくすためには富裕国の年間所得の1%以下で足りる。しかし、この行動をしなかった時の結果の甚大さは比較にならないほど大きい。環境については気候変動枠組み条約や生物多様性保全条約などが、人口問題については人口開発行動計画が、貧困・飢餓についてはミレニアム開発目標が、それぞれ作られている。 環境保護と個人的な動機付けを両立させるための政策として、環境破壊に対する課税(外部性の内部化)、総量制限(キャップ&トレード)、業界ごとの基準設定、ゾーン区分があげられる。天然資源の採取を持続可能なレベルに制限する方法としては、取引可能な収穫権の導入、共有物の私有化、地域社会による共有化がある。 専門家は気候変動への対処方法について、エネルギー効率を改善することだけでは不十分であり、再生可能エネルギーは限られた役割しか果たせず、低価格で豊富な石炭などの化石燃料は利用され続けるため、回収・貯留(CCS)技術の費用効率が高くなれば重要なものとなるとの見解で一致している。 内戦の引き起こす要因として、若年層の突出、住民一人あたりの耕地不足、都市部の急成長があげられ、どれも高出生率が続くことと深く関わっている(Population Action International)。 世界の貧困は、内陸部、熱帯地域、水が少ない地域、マラリアの蔓延地帯、国際貿易ルートから外れている地域に集中している。イースタリーの海外援助に対する非難は、日本が東南アジアのインフラを整備して工業製品の輸出国へと成長させたことや、韓国・台湾・中国・インドなどが新興成長市場となったことを無視していること、1人あたり年額15ドルの援助支出(援助国の所得の0.3%)を大金と決めつけていることの2点が誤りであると主張する。 9章以降はスルーした。
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我々が「国益」と称しているものは、21世紀を生きるにはあまりにも狭小すぎて我々が幸せに生きるのを阻害していると思い知らされる。 原題は"commonwealth"だが、著者の提起する"commonwealth"の概念は「地球上の全人類の暮...
我々が「国益」と称しているものは、21世紀を生きるにはあまりにも狭小すぎて我々が幸せに生きるのを阻害していると思い知らされる。 原題は"commonwealth"だが、著者の提起する"commonwealth"の概念は「地球上の全人類の暮らしを守るための組織体系」だ。 「気候変動」「生態系の破壊」「人口増加」「貧困」は、先進国の我々にとっては他人事にされ、後回しにされがちだ。 しかし、著者は先進国に起きている国家安全保障、気象災害、伝染病などの問題を旧世紀の「国益」単位で捉えているために、その本質を見誤っていると読者に気づかせる。 そのために、本書の前半は、気候変動、人口増加、貧困などの世界規模の問題の解説に充てられている。 ブクログには「世界の問題の理解に役立った」レベルのレビューが見受けられるが、それはどうやらこの大著の前半で読む気が失せたためと思われる。 本書の後半から、なぜこれらが全人類の共通の問題と捉えることで、これらを解決することができるのかが示される。 このビジョンだけを読むと夢物語になってしまうために、前半に膨大な論拠を示したのだと気づかされる。 前から順に読むことに疲れたら(現に疲れますけど)、先に後半のビジョンを読んでから、前半の論拠に戻ってみることをお勧めしたい。きっと全く違うレビューになるはずだ。
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現在のグローバルな諸問題(政治、経済、環境)の深刻さを、経済学のシンプルなロジックで分かりやすく説明している。G0となった世界という見方との親和もあり、読んでいて面白い。 資源だが限りある魚を今、捕って得られる利益と代わりに投資したことで得られる利子を含めた収益との比較など。 ...
現在のグローバルな諸問題(政治、経済、環境)の深刻さを、経済学のシンプルなロジックで分かりやすく説明している。G0となった世界という見方との親和もあり、読んでいて面白い。 資源だが限りある魚を今、捕って得られる利益と代わりに投資したことで得られる利子を含めた収益との比較など。 後半には、問題解決に向けた処方箋とそれに対する世界の現状、成功事例が怒涛のように、論理的に明快に並べられていた。読んでいくと、本当に自分自身がまだ何も行動していないことを痛感するとともに、いち早く個人・市民・会社員として積極的に地球レベルの問題の解決に関わっていきたいと感じた。 富裕国のGNPや財団からほんの少しの金額が提供されることで、人口問題・農業生産性・飢餓・伝染病・地球環境問題を解決に近づけることができるということは本当に驚かされた。
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