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ロボトミスト 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜
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ロボトミスト 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜

ジャックエル=ハイ【著】, 岩坂彰【訳】

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ロボトミスト 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ランダムハウス講談社
発売年月日 2009/07/27
JAN 9784270005163

ロボトミスト

¥3,355

商品レビュー

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2018/06/03

ロボトミー手術を米で普及させた男の生涯を描くノンフィクション。精神医療の歴史も垣間見える。経眼窩ロボトミー手術(アイスピックを眼の穴から刺し脳の一部を削除する……)を確立させたとある。当然当時から倫理的に強い批判もあったが、有効な治療手段のない精神病患者には唯一の望みだった。50...

ロボトミー手術を米で普及させた男の生涯を描くノンフィクション。精神医療の歴史も垣間見える。経眼窩ロボトミー手術(アイスピックを眼の穴から刺し脳の一部を削除する……)を確立させたとある。当然当時から倫理的に強い批判もあったが、有効な治療手段のない精神病患者には唯一の望みだった。50年代、向精神薬の発達からロボトミーは廃れていき、後には禁止されるようになった。波乱に満ちた人生を送る彼は実に誠実な医者で、手術後の患者全員の追跡調査を数十年続けていたのだという。厚い本だが一気に読めた。入手難だが良書。 眼窩の奥の特定の位置に頭蓋骨で一番薄い箇所があり、そこを外科用アイスピックを刺しハンマーで数回叩いて割って専用器具差し込みで中を削除、血も出ないことも…… 脳のどこを切ればいいのかなどはっきりしてないいい加減さに驚く。 個人的にためになったのは、精神医療の歴史についてだ。大まかに二つの流れがある。一つは生物学的、脳そのものの器質的対処、ここでいうロボトミーを代表とする方法と、精神分析だ。この主人公たちは当時第二次大戦前後で米国に逃れつつあった精神分析の医師たちと激しい論争をしていた。いったんは精神分析派が勝利したかと思われたが、のちに精神分析自体の効果が疑われているという。最新の治療ではやはり薬、生物学的方法が一番だという。また、レーザーや電気をつかって安全性と厳密さを増した脳の部位を操作する方法もあるという。

Posted by ブクログ

2016/05/06

ロボトミーというと、おどろおどろしい非科学的な人体実験、といった印象を持っていた。 医学的根拠のうすい、人格破壊だ、と。 でも、この本を読んで、印象が少し変わった。 フリーマンという医師は、当時の精神病院の現状を打開し、患者を社会に順応できるようにしたい、という思いの強い人だっ...

ロボトミーというと、おどろおどろしい非科学的な人体実験、といった印象を持っていた。 医学的根拠のうすい、人格破壊だ、と。 でも、この本を読んで、印象が少し変わった。 フリーマンという医師は、当時の精神病院の現状を打開し、患者を社会に順応できるようにしたい、という思いの強い人だった。 もちろん、彼は名誉欲が強く、ことを急ぎ過ぎた、という欠点もあった。 彼は成果をほしがった。隔離された患者の精神病がやわらぎ、退院数が増え、家族や社会の中で人生を送れるようになった、という成果が。 理屈ではなく、具体的な結果のみに重点を置き過ぎたのだ。 でも、彼はロボトミーを、正義や使命感によって遂行していた。その姿勢は、最初に私が持っていたロボトミーの印象とは異なったものだった。 ただ、フリーマンのやり方は、あまりにもいきなりすぎる。 研究的・科学的・学術的なものではなかった。 やり方も粗雑だ。 だから、歓迎されない。 脳という、人間の中枢を扱う手術だという認識がない。 今となっては、野蛮でしかない。 それでも、当時の精神病院の状態や、科学の進捗状態をふまえてフリーマンという人間を見てみると、そこには人を救い社会をよくしようと戦う男の姿がある。 そういった側面も、ロボトミーにはあったのだ。 ロボトミーをうけた患者のその後を何十年も追い、生存を確認し、病状を調べ、無事社会生活を送っている患者を喜ぶエピソードからは、彼の医師としての気持ちを強く感じた。

Posted by ブクログ

2012/11/04

ロボトミーと言えば悪名高い精神外科手術。 我々精神科医にとってはトラウマというべき、精神科の黒歴史の一部、という認識でいるが、その実、私のような若手(笑)にとっては、実際に見たこともなく、ほんの僅かばかりの生き残りの患者さんと接したことがあるくらい。 本書は、そのロボトミーをア...

ロボトミーと言えば悪名高い精神外科手術。 我々精神科医にとってはトラウマというべき、精神科の黒歴史の一部、という認識でいるが、その実、私のような若手(笑)にとっては、実際に見たこともなく、ほんの僅かばかりの生き残りの患者さんと接したことがあるくらい。 本書は、そのロボトミーをアメリカで協力に推進した精神科医の話ということで、どちらかと言えば、極悪精神科医の評伝なのだろうという気持ちで読み始めた。 意に反して、その精神科医、ウオルター・フリーマンは、ロボトミーが善か悪かを別にすれば、とてつもなく精力的で、脳神経の解剖と機能に脳外科医に劣らず精通し(それ自体が精神科医には珍しい)、患者の治療後に多大な関心を抱き続けた稀有な精神科医だった。本書は分厚いが、それだけの価値を持つ。実に個性的な精神科医の優れた伝記。その分厚さを可能にしたのが、フリーマンの膨大で、個々の患者/事象に対する膨大な著作であった。 ロボトミーの功罪に関して、我々の持つ一般的なイメージを変える必要性を感じさせる1冊。 1つだけ言えるのは、フリーマンが自ら信じたようにロボトミーが患者にとって有用性が高いのであれば、それを広めるにあたってフリーマンがとった些かエキセントリックなプレゼンテーションは全く逆効果だったということだ。

Posted by ブクログ

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