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隠者はめぐる
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隠者はめぐる

富岡多惠子【著】

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隠者はめぐる

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2009/07/03
JAN 9784000221733

隠者はめぐる

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商品レビュー

4.5

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2022/02/11

 情報過多社会である現代では、想像できない生き方と思うが、中世から近世まで日本社会では存在したと思われる「遁世」という生き方について、大阪人である著者があっとランダムに選んだ歴史上の人物の「遁世」について残された当時の情報に基づき彼らの生き方について分析・評価したエッセイである。...

 情報過多社会である現代では、想像できない生き方と思うが、中世から近世まで日本社会では存在したと思われる「遁世」という生き方について、大阪人である著者があっとランダムに選んだ歴史上の人物の「遁世」について残された当時の情報に基づき彼らの生き方について分析・評価したエッセイである。  大阪の学者「契沖」、越前の歌人「橘曙覧」などの生き方が細かく描かれていました。  西行法師、鴨長明についても触れられていましたが、すばらしい「遁世」ばかりではなかったようで、生身の人間、生きる上でやはり色んな悩みがあり、現実との妥協もせざるをえない部分もあり、知らないことも書かれてあり、まぁ面白い読み物でした。

Posted by ブクログ

2021/12/28

読んでいて感心するのは 作者・富岡多惠子の知識の豊富さ。 これはかなわないなと思う。 「脱俗」「孤高」「無用者」 魅力的な言葉が続く。 「隠者」とは「諸縁放下」「修身」「清貧」 だと思っている。 「わびさび」とは 「貧乏」と「孤独」のことでしょ。 そういった点では世を遁れ 世間の...

読んでいて感心するのは 作者・富岡多惠子の知識の豊富さ。 これはかなわないなと思う。 「脱俗」「孤高」「無用者」 魅力的な言葉が続く。 「隠者」とは「諸縁放下」「修身」「清貧」 だと思っている。 「わびさび」とは 「貧乏」と「孤独」のことでしょ。 そういった点では世を遁れ 世間の外へ出ているだけでは 不充分でやっぱり「寂しさ」が欲しい。 だから「寒月」という字は魅力的に見える。 「聡明を乱用せず」もいい。 淡島寒月のことは知らなかった。 「氏の一生を通じて、氏は余りあるの 聡明を有していながら、それを濫用せず、 おとなしく身を保って、そして人の事にも 余り立ち入らぬ代わりに、人にも厄介を掛けず、 人をも煩わさず、来れば拒まず、去れば追わず という調子で、至極穏やかに、名利を求めず、 ただ趣味に生きて、楽しく長命した人であった」 と幸田露伴記す(P53)。 そして富岡は最後にこう書く。 「聡明や才能を濫用せず、またそれによって 世渡りしなくていい一生は幸福との言は なかなか含蓄に富むと言わねばなるまい。 たいていは、濫用どころかあるかなきかの 才を元手に、かつがつ世渡りせざるを 得ぬからである」

Posted by ブクログ

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