学問

山田詠美【著】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2009/06/29
• JAN: 9784103668138

商品レビュー

2021/06/13

子供の頃に出会った親友たち。
彼らと一緒に過ごしたかけがえのない時間。
性と生きるということ、死んでいくまでの濃厚な一生。

東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太。
食べることが好きなムリョ、眠ることが好きな千穂。

小学生と時にムリョに結婚しようと手紙を書いた
読書家の素子。

ヘンテコで意地悪を言い合いながらも
素直で互いを思いやり、性を知り大人になっていく過程が
のちにそれぞれ死んでいく経緯があることで
生々しく、切ない。

貧しい家と賢く聡明でいつも人気者の心太ことテンちゃんは
本当に魅力的で、素子の言うようにおっかない。
彼の言葉一つ一つが魅力的。

最後の仁美とテンちゃんの会話がまた良い。

私ねえ、欲望の忠実なの。愛弟子といってもいいね
じゃあ、おれは兄弟子に当たるわけだな
フトミの欲望は、おれが、ずっとずっと守ってやるよ

もう泣いた。彼らの青春は永遠。

2020/01/26

こんなにキラキラと輝いて成長してゆく子供達が羨ましく、憧れてしまいました。
そしてサラリと述べられる死。
人生捨てたもんじゃないですね。
文章が魅力的で、一気に読んじゃいました。

2019/06/06

久しぶりに山田詠美さんの作品を読みました。「学問」、２００９．６発行です。美流間という田舎の小学校２年生、男女２名ずつの生徒の生涯が連作４話で綴られています。読者は読みながら、自然に、自分の小学校時代、そして、その時まわりにいた友達に思いを寄せます。山田詠美さんにしては静かな佇まいの作品です(^-^)