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許されざる者(下)

辻原登【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日新聞社
発売年月日 2009/06/20
JAN 9784620107363

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商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2012/10/16

106ページ  クツーゾフ将軍   ◆クツーゾフ→クトゥーゾフ     ※上巻で「クトゥーゾフ」。 179ページ  刑を終えてもおまえたちは結婚できない。民法第四章第三十三条によってね   ◆民法第四章第三十三条→民法第七百六十八条     ※日露戦争前の明治31年に民法施行。...

106ページ  クツーゾフ将軍   ◆クツーゾフ→クトゥーゾフ     ※上巻で「クトゥーゾフ」。 179ページ  刑を終えてもおまえたちは結婚できない。民法第四章第三十三条によってね   ◆民法第四章第三十三条→民法第七百六十八条     ※日露戦争前の明治31年に民法施行。条文は「姦通ニ因リテ離婚又ハ刑ノ宣告ヲ受ケタル者ハ相姦者ト婚姻ヲ為スコトヲ得ス」。「第四章第三十三条」は施行されなかったボアソナード民法http://books.google.co.jp/books?id=Cz6idlW4QekC&printsec=frontcover&dq=%22%E6%97%A7%E6%B0%91%E6%B3%95%22&source=bl&ots=tATIJlXafr&sig=jnQOVufYh5tGKDAn21aYkCJYpPE&hl=ja&ei=_ZhmTND7IcvQcaeltZAF&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=6&ved=0CDsQ6AEwBQ#v=onepage&q&f=false(264ページ)の番号と思われる。Http://www.geocities.jp/nakanolib/hou/m4_o.htm

Posted by ブクログ

2012/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日露戦争前夜の明治三十六年(1903)三月、紀伊半島の南に位置する森宮の港にひとりの男が帰ってくる。男の名前は槇隆光。元森宮藩藩医の四男でアメリカで学位を取得後カナダで診療経験を積み、帰朝後森宮で開業していた。貧しい者からは金を取らず、金持ちからは高額の治療費を取る、毒取ル先生と呼ばれていた。そのドクトルが再び海を渡ってインドはボンベイ大学で脚気を研究し、その成果を引っさげての三年ぶりの帰郷である。町は沸き立っていた。 同じ頃、元森宮藩主の長男永野忠庸少佐は八甲田山雪中行軍で遭難死した弟の救出に向かい、その計画の杜撰さを指摘したことで軍から譴責を受け、妻を伴って帰郷していた。物語は、槇と永野夫人の許されざる恋愛を核に、槇の姪、西千春をめぐる甥の若林勉ほか若者たちの競争をからませながら、日露戦争を背景に、開戦論者と幸徳秋水たち非戦論者の闘いを描く一大ロマンスである。 インドから持ち帰ったトンガと呼ばれる二輪馬車を駆って森宮の町を疾駆するドクトル槇の颯爽とした姿は、いかにも大衆好みの設定だが、実は槇にはモデルがいる。佐藤春夫や与謝野鉄幹が、その早すぎる死を悼んだ新宮の医師大石誠之助その人である。差別された人々にも進んで施療し「毒取ル」と呼ばれ、太平洋食堂を開業し、洋食の普及に努めるなど、開明的な活動家であったが、幸徳秋水との関係が災いし逮捕され死刑となる。 作家はこの郷土が生んだ傑物の復権を試みたのだろう。脚気の特効薬ベリベリ丸を大陸に持ち込み、脚気に悩む将兵を治療したり、元藩主筋に当たる永野の妻と愛し合わせたり、と大石にはできなかっただろう縦横無尽の活躍ぶりである。モデルといえば、勉や千春には文化学院を開設した西村伊作の風貌が垣間見えるし、千春の結婚相手である上林青年は阪急鉄道や宝塚歌劇団の創始者小林一三翁の若き日の姿が重なる。シルクロードの探検隊を組織し帰りの船で槇と出会う谷晃之は真宗大谷派の宗主大谷光瑞。石光真清や森鴎外、田村花袋、頭山満、ジャック・ロンドンという錚々たる顔ぶれは本人の名前で登場する。 ロマンスといえば、本来中世騎士物語のことだが、槇と永野が夫人の愛を争う三角関係は円卓の騎士ランスロットがアーサー王の妻、グィネビアと愛を通じ合う有名な物語を思い出させる。ホイッスルという愛馬を駆る槇の姿は囚われの王妃を救い出そうとする騎士を髣髴させるし、思い姫を故国に置いて北の戦場に赴く槇の姿は遍歴の騎士そのものであろう。 階級差というものがはっきりしない現代日本においてロマンスを描こうというのはかなり難しいことにちがいない。その点、まだ旧藩主というものが存在し、同時に西洋の後を一生懸命追いかけていた明治時代なら華麗なロマンスが描けるだろう。時計のネジ巻き屋やガス燈の点燈夫といった職業もこの時代ならでは。アンナという名の入ったロルネットのような小物を使って、トルストイやチェーホフの名作を持ち出したりできるのも共通する時代背景があってこそ。 さらには、日本陸軍が脚気黴菌説を墨守し、白米色にこだわり脚気による大量の戦病死者を出したという軍事上の事実を重要なエピソードとして持ち込むことで、コッホの説を疑わず、麦飯・パンを食べれば脚気が治るなどというのは非科学的な妄説とした軍医総監森鴎外に脚気の特効薬を開発したドクトル槇を対峙させるなど、辻原登ならではの小説的詐術が愉快である。 同時代の日本を描いた司馬遼太郎の『坂の上の雲』を意識したにちがいない設定には、同じ小説家として国民的人気作家に対する挑戦が感じられる。テロルなきアナーキズムやレーニン以前のマルクシズムを奉じる槇のイデオロギーは、その言葉から伝わりはするが、大仏教教団の宗主で爵位を持つ谷と友人付き合いしたり、侠客といえば聞こえがいいが、自分に気がある女親分の力を借りたりと、実際の行動には権力や暴力という力の行使に無思慮に過ぎる気もする。まあ、そこはロマンス、あまり堅苦しく考えるのも野暮だろう。新聞連載小説らしく、誰にでも読みやすく書かれている。暑気払いにはうってつけの痛快巨編である。

Posted by ブクログ

2011/07/24

まさに「浪漫小説」と漢字で表したい作品でした。日露戦争の前後の和歌山県の森宮(新宮のことと思います)を舞台にアメリカやインドで医学を学んだドクトル槙を主人公にしたドラマティックな物語です。奉仕精神豊かな資産家階級、過激な社会主義者や野望に燃える警官、美貌の人妻や、無知で愛すべき労...

まさに「浪漫小説」と漢字で表したい作品でした。日露戦争の前後の和歌山県の森宮(新宮のことと思います)を舞台にアメリカやインドで医学を学んだドクトル槙を主人公にしたドラマティックな物語です。奉仕精神豊かな資産家階級、過激な社会主義者や野望に燃える警官、美貌の人妻や、無知で愛すべき労働者たちが交錯して盛りだくさんの内容です。実在の人物もさりげなく盛り込まれていて面白いです。ただ大作なので少々息切れがします。私は上巻に時間を取りましたが、下巻は乗ってきました。 貧富の差、ではないですが、階級がとてもはっきりしていた時代ならではの話だなあと思います。 先に読んだ「蒼穹の昴」に出てきた万朝報が出てきて懐かしかったです。

Posted by ブクログ

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