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百姓たちの江戸時代 ちくまプリマー新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2009/06/10 |
JAN | 9784480688101 |
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百姓たちの江戸時代
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商品レビュー
3.5
8件のお客様レビュー
江戸時代の百姓は自分が思っているよりも豊かな暮らしをしていたんだなという感想。 人と人の繋がりがあり、家を受け継いでいく使命を全うし時には学問、文化活動や遊びに興ずる。 現代人よりも高い幸福度で一生を終えた人もいるだろう。 子供の頃に読んだ歴史マンガは偉い人視点で描かれてて百姓...
江戸時代の百姓は自分が思っているよりも豊かな暮らしをしていたんだなという感想。 人と人の繋がりがあり、家を受け継いでいく使命を全うし時には学問、文化活動や遊びに興ずる。 現代人よりも高い幸福度で一生を終えた人もいるだろう。 子供の頃に読んだ歴史マンガは偉い人視点で描かれてて百姓はいわばモブ扱いだったから彼らの生活に着目することもなかったし、大抵貧しくて、領主や幕府に搾取され、武力に訴えた一揆を起こすというイメージしかなかった。
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江戸時代の百姓というと、米を作っても年貢に取られ、麦や雑穀を食べて、食い詰めれば娘を売って‥‥という悲惨なイメージがあるのは、子どもの頃に見た映画やテレビの時代劇の影響があるのかなと思う。今の若い人は時代劇を見ることはあまりないだろうし、学校で習うのは相変わらず武士が行った政治で...
江戸時代の百姓というと、米を作っても年貢に取られ、麦や雑穀を食べて、食い詰めれば娘を売って‥‥という悲惨なイメージがあるのは、子どもの頃に見た映画やテレビの時代劇の影響があるのかなと思う。今の若い人は時代劇を見ることはあまりないだろうし、学校で習うのは相変わらず武士が行った政治であり、町人文化であり、農機具の発達はちょっと習うとは思うが、具体的な百姓のイメージはないかもしれない。 若い頃はどうしても戦国武将とか勤皇の志士みたいなのをかっこいいと思う傾向があり、そんな人々より圧倒的に多く、いなければ政治が成り立たないどころの話ではない百姓については、あまり考えない。 しかし、この本を読んで見ると百姓の生活もいろいろで、豊かな百姓は、おしゃれもするし、旅行や観劇を楽しみ、子供の教育にも熱心で、(これも映像のイメージではあるのだが)貧乏浪人の生活なんかと比べれば、ものすごくリッチである。中には金貸しもして、江戸の町人の借り手が借金返済ができなかったため手に入れた江戸の土地にに賃貸住宅(長屋)を立てて不動産経営を行ったり、大名や侍にも貸したりして、(もちろん米や野菜も作り、機も織り、保存食や道具も作り、それを売ったりもしている)多角経営の企業みたいなものである。 小作人の世話をしたり、寺や神社に寄付したり、企業イメージアップのために頑張る会社と変わらない。目的はイメージアップではなく、村人が気持ちよく協力して作業を行うためではあるのだけど。 江戸時代は寺子屋が普及したため識字率が高く、それが明治以降の発展の礎となったという説はよく聞くが、識字をどうとるか(辛うじて自分の名前が書ける程度か、難しい文章も読み、書くことができるのか)は研究者によってまちまちだし、かなり地域や性別の差があった、ということなども、実際のデータを示して書いてある。 断片的なあやふやな知識で自分の推理を混ぜてまことしやかに書く一部の書き手(まあ、誰とは言いませんが)とは、全く違う。全てに根拠となる資料があり、それを読み込むことで推理していく。学者とは、ちゃんとした歴史の本とはこういうものだと思う。 大学の一年間の講義をぎゅっと濃縮してあるような本で、実際講義を受けてもっと余談なども聴けたら、本当に面白いだろうなと思われる。一橋大学の学生さん、幸せですね。受験勉強が報われるとは、こういう先生の講義を受けたときだと思う。 百姓一揆のイメージも大きく変わった。 歴史好きというと、大抵は侍が好きな人が多いが、百姓の中にも障害のある娘のために立ち上がった飴屋兵助のようなヒーローがいたのだと知ることができた。 高校生以上なら読んでおきたい本。
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2009年刊行。著者は一橋大学大学院社会学研究科教授。◆江戸時代におけるステレオタイプ的農民像に再考を迫る書。慶安のお触書のような触書が繰り返し出されてきたことは、そこに書かれている生活とは別儀の世界が江戸期農民の実態だった。こういうふうに捉える必要性を示してくれる書だ。特に、近畿圏など地域別、寛永・元禄・享保・天保期等時代の違いを踏まえ、貨幣経済の浸透で捉えると有効な視座が得られそう。◆ただ、斯くの如き見解を示すのは本書がその嚆矢というわけではない。簡明かつ学生向けという点に意義を持つのだろうか。
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