創作落語論 河出文庫

柳家つばめ【著】

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2009/06/06
• JAN: 9784309409672

商品レビュー

2022/11/16

「古典落語は邪道だ」のキャッチコピーが余りにも有名で、一人歩きしてしまっている感が強いが、落語家による落語論としては立川談志『現代落語論』と双璧をなす幻の名著。「落語は大衆のものだ」という一貫した大衆芸能への信頼と思いがはっきりと伝わり、読むと読者に問いかけ会話する文体がリズム良く、何より早世を惜しまれた五代目つばめの生の声が聞こえるようで、楽しい。ただどうしても書かれた時代に著者が想定していた「現代」と現時点での「現代」に大きく乖離がある。そのために論の裏付けとなる結果としての現代とリンクしづらい点がもどかしい。その点各章の最後に設けられた詳細な解題の存在が非常にありがたい。

2009/07/23

この本は五代目柳家つばめが約30年前に書いた本ということを読み、本当にびっくりした。
「落語＝古典落語」と言う考えに一石を投じるこの本はそんな昔のホントは思えない。この文庫が発刊するに当たって、弟子夢月亭清麿氏と演芸評論家大友浩氏が解説を加えている。これがこの本を読みやすくしていて良い。