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危機突破の経済学 日本は「失われた10年」の教訓を活かせるか
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2009/06/17 |
JAN | 9784569709604 |
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危機突破の経済学
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商品レビュー
3.3
9件のお客様レビュー
著者は、ポール・クルーグマン。2008年のノーベル経済学賞受賞者である。内容は、表題からわかるように、リーマンショック以降の世界経済について。 彼に言わせると、日本の経済対策は愚策ばかりで、これでは、失われた10年が、失われた25年に拡大してしまう。では、そうすればよいのか。本書...
著者は、ポール・クルーグマン。2008年のノーベル経済学賞受賞者である。内容は、表題からわかるように、リーマンショック以降の世界経済について。 彼に言わせると、日本の経済対策は愚策ばかりで、これでは、失われた10年が、失われた25年に拡大してしまう。では、そうすればよいのか。本書にはその具体的方法、指針は書かれていない。まあ、それが書かれてあったところで、私にはどうすることもできないことではあるが。 と、ここまでは批判的なことを書いたが、内容は非常に興味深く面白い。経済に興味ある人や、ビジネス・パーソンにお勧めしたい。
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本書は2008年にノーベル経済学賞を取った、ポール・クルーグマン氏による日本への経済政策の提案と米国の現状についての経済政策的な洞察により構成された著書である。 まず日本の金融政策が上手くいかず、アメリカの金融政策が効力を発した理由として、アメリカが5%くらいの金利があり、日本...
本書は2008年にノーベル経済学賞を取った、ポール・クルーグマン氏による日本への経済政策の提案と米国の現状についての経済政策的な洞察により構成された著書である。 まず日本の金融政策が上手くいかず、アメリカの金融政策が効力を発した理由として、アメリカが5%くらいの金利があり、日本の金利はゼロに近く、金利を下げる余地がなかったと主張します。 それならば、日銀は量的緩和を行うべきであって、コマーシャルペーパー(CP:簡単に言うと企業の社債)やモーゲージ(不動産抵当)証券を買うべきであったと言います。 この所謂、量的緩和はイギリスもアメリカでもやっており、これをやっていない日本は再びデフレ経済に陥るのではないかと懸念をしています。(本書が書かれたのは2009年ごろ) また日銀は少なくとも2%(ないしは4%)までインフレ率が上がるまで、ゼロ金利、財政拡大政策を行うべきであった。それをしなかったのは日本の政策担当者の怠慢である、とも言いいます。 そして、当時円高が収まらなかった理由として、「キャリートレード」も原因にあげており、日本は輸出に依存しており、リーマンショックで輸出が激減した日本には余剰資金はなくなり、「キャリートレード(比較的調達コストの安い通貨(=円)で高利率の通貨に投資すること)」が減少しました。 したがって日本は、輸出減少、キャリートレードの枯渇により円高が急激に進行したのであると喝破します。 そして、クルーグマン氏はリーマンショック後の各国当局の取りうるべき政策として、失業保険がカバーする範囲を広げて、寛大にすべきだと答えます。 但し、ヨーロッパ諸国のように失業しても収入の80%をもらえるのは少し高すぎる。しかし、アメリカの35%は低すぎるし、失業後13週間しかもらえないのも短すぎるとのことです。 このくだりでは、私はクルーグマン氏とは意見を異にします。即ちクルーグマン氏は日本ももっとセーフティーネットを充実すべきだと説きますが、生活保護等で日本のセーフティーネットは十分なものだと思います。 日本の政策について比較的辛口のクルーグマン氏ですが、日本の財政政策は有効とのことを経済指標を基に主張。 日本の財政出動のピークは1996年ですが、その時日本は3%ほどの経済成長をしました。つまり日本の財政政策は有効であるが、それは必ずしも持続可能な経済回復にはつながらないということです。つまり財政政策では根本的な解決策は見いだせないという事とのことです。 本書は、現日銀総裁・黒田東彦氏の金融政策がいかに適切であるかの証左であるとの結論です。しかし、マーケットにジャブジャブと供給されたマネーの回収方法、いわゆる「出口戦略」に言及をしていないのが玉に傷でしょうか?それは現FRB議長・イエレン氏が行っていることです。日本も出口戦略が上手くなされるか、皆さんFRB及び日銀の政策についてご一考ください。本書ではアメリカ経済についても深い洞察がされています。
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薄い本だが、ノーベル賞経済学者による「80分間世界経済一周」はかなりの歯応えがある。全然80分では読めなかった。2009年までの日本の政策についてかなり紙面が割かれており、今のアベノミクスを理解する前提として、必要な見解がまとまっている。
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