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31歳ガン漂流 ポプラ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2009/06/05 |
JAN | 9784591110096 |
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31歳ガン漂流
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商品レビュー
4
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若くして肺ガンを患いながらもあくまで感情的になったり悲壮感を表さずに書かれた日記。なんとも他人事のように読めて違和感を感じるんだけど、余命数年って状況で正気を保つための手段でもあったのだろうか。こう書いて、健康な自分が死に直面してる人間の気持ちを推し量ろうなんてのがどれだけおこが...
若くして肺ガンを患いながらもあくまで感情的になったり悲壮感を表さずに書かれた日記。なんとも他人事のように読めて違和感を感じるんだけど、余命数年って状況で正気を保つための手段でもあったのだろうか。こう書いて、健康な自分が死に直面してる人間の気持ちを推し量ろうなんてのがどれだけおこがましいかにも気づく。自分よりも少し上の世代なんだけど、脚注に飛び出す言葉がどストライク過ぎて、ところどころニヤリとしつつも、ニヤリを通り越してなんというか鼻に付くというか、気恥ずかしさまで感じた。まあ日記なので当然なのだけど。自分がこの状況になった時にどう生きられるかを突き付けられた気はする。この人の書いた小説があるので読んでみたいと思った。
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基本、闘病記は読まないんだが、この人の文章はネットで知っていて、ときどきなぜかふと読みたくなることがあり、ちょっと読んではやめ、ちょっと読んではやめ、ということをしていた。で、そんなことをしているのなら、と原則を崩して読む。 闘病記には違いないが、闘病記ではない。「怒り、絶望、...
基本、闘病記は読まないんだが、この人の文章はネットで知っていて、ときどきなぜかふと読みたくなることがあり、ちょっと読んではやめ、ちょっと読んではやめ、ということをしていた。で、そんなことをしているのなら、と原則を崩して読む。 闘病記には違いないが、闘病記ではない。「怒り、絶望、恐怖、悲しみ、そういう要素は全部オレ一人で楽しむためにとっておく」と書いている通り、内省が意識的に省かれている。ハードボイルドのテクニック。生きるってことは、みたいなステレオタイプはどこにもない。治療して、書いて、ガンダムのプラモ作って、ツーリングに行って、蕎麦食って、喧嘩して、友達や先輩に会って、死んでいく。ほとんど読んだことはないが、闘病記って闘病していないと闘病記にならないんでしょ? でもこの闘病記は、闘病してなくても本質が変わらない気がする。闘生記だ。
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友人が読んでいるといっていたので、私も読んでみることにした。本屋にあるのは結構前から知っていたのだが、「ガンの闘病記かあ」という先入観が先にたって、ちょっとしんどいなと敬遠していたのであった。 とりあえず第1弾を読み終えて、気分はがん患者。別に彼は詳しく病気について語っているわ...
友人が読んでいるといっていたので、私も読んでみることにした。本屋にあるのは結構前から知っていたのだが、「ガンの闘病記かあ」という先入観が先にたって、ちょっとしんどいなと敬遠していたのであった。 とりあえず第1弾を読み終えて、気分はがん患者。別に彼は詳しく病気について語っているわけではないのだが、あえて日常生活を綴るという形をとることで、逆にその背後にあるがん治療の大変さが浮き彫りになっているので、私までその副作用のつらさ、点滴のしんどさ、針を刺すのがヘタな医者へのげんなり感を味わってしまうのだ。 つまり、とてもリアルないちがん患者の生活の記録。仕事して、食事して、友達と会って、検査して、点滴して、という感じの。 単行本が出た頃?彼がテレビ番組で紹介されたときに、故池田晶子さんが批判した事件があったらしい。私は知らなくてググッてみたんだけど、どうやら「表現方法」についての世代間断絶と、新しい技術に対する無知から発生した批判だったようだ。つまり「ネットってよく知らないんだけど、なんかおかしなとこなんでしょ?」くらいの認識の人が、ネットを自在にあやつる年代の人間の行動について理解できなかったというだけの話。 池田さんというのは、おうちの中にこもって自分の脳内だけであれこれ物事を考えるタイプの人だったから、たぶんこういう新しい世代の人の行動様式は理解できなかったんだろう。 私にだってちょっとついていけないところもある。だって彼はこのとき31歳だったんだから! バリバリの若者じゃないか。 そう思って読むと、とんがった、自分なりの感性と美学を持った青年の生きた証に見えてくる。 引き続きエヴォリューション、ラストイグジットと読み進める予定。
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