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罰金 ハヤカワ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 1977/01/15 |
JAN | 9784150707088 |
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罰金
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
ディック・フランシスの競馬シリーズの最大の魅力は競馬関連の漢字二文字の邦題にある(おい!) 『重賞』や『大穴』のように直接的な競馬用語のときもあれば『興奮』や本作『罰金』のような競馬を連想させるようなものもありと様々だ もうこんなことされたら全作集めたくなるよね! もちろん原...
ディック・フランシスの競馬シリーズの最大の魅力は競馬関連の漢字二文字の邦題にある(おい!) 『重賞』や『大穴』のように直接的な競馬用語のときもあれば『興奮』や本作『罰金』のような競馬を連想させるようなものもありと様々だ もうこんなことされたら全作集めたくなるよね! もちろん原題が漢字二文字のはずがないので(おそらくイギリスには漢字文化はないと思われる)これはもう早川書房の商売がうまいということだ!馬だけに 『罰金』取られてもおかしないオチ そして本作も『罰金』とられてもおかしくない結末でした もう大昔の男尊女卑の考え方がどスレートに出てる男にとってだけのハッピーエンド 昔はそれを表現しちゃうことが当たり前でむしろ称賛されてたと思うと悪寒が凄いんだけど その当たり前を知るということはそれはそれで意味があるのかなと思ったりもしました あ、でもディック・フランシスは不朽の傑作のほうが圧倒的に多いのでやっぱりたくさんの人に読んでほしいなぁ
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岡嶋二人を読んだので、返す刀でディック・フランシスも読んでみようと、中古本屋の棚にあった中から1冊買ってきた。 出来が良いのか悪いのか、次からはおススメをちゃんと調べて取り寄せしよう。 本書は1968年に出たシリーズ7冊目ということで、主人公はシッド・ハレーではなく、競馬記者の...
岡嶋二人を読んだので、返す刀でディック・フランシスも読んでみようと、中古本屋の棚にあった中から1冊買ってきた。 出来が良いのか悪いのか、次からはおススメをちゃんと調べて取り寄せしよう。 本書は1968年に出たシリーズ7冊目ということで、主人公はシッド・ハレーではなく、競馬記者のジェイムズ・タイローン。 冒頭から泥酔した記者の転落死、馬主の娘との情事、全身麻痺の妻との生活という描写が続き、時代柄なのか、ミステリーの割には結構まったりとした通俗小説の味わい。 冒頭の転落死から、記事で煽って前売り馬券を買わせてはレース前に出走を取り消して賭け金は返さずという詐欺疑惑に気づき、紙面にしたタイだったが、取材の合間にも情事は続き、こんなことしていて自分や奥さんには危険が迫らないとでも思っているのかと心配になるが、案の定。 ただ、この主人公、肋骨を折られても、情事を暴かれそうになっても、棍棒で殴られても、急性アル中にされても、怯むことはなく、内面とは異なりなかなかにハードボイルド。 詐欺のターゲットになっている馬を隠したり、病気の妻を逃がしたり、前半のまったり感とは違った後半の急展開はなかなかにサスペンスフル。 悪役の潰れ方には少々残念なところはあったが、これまでの登場人物が勢揃いする障害レースと競馬場の描写は大団円を思わせて良い雰囲気。 一度は心離れた情事の相手の言葉もなかなか泣かすし、それを踏まえた妻とタイの心模様も物語の最後を飾るに相応しく。 最後の2行がなかったら、とても良い気持ちで本を閉じられたと思うが、なんであんな終わり方にしたかなぁ…。 久し振りに洋物のミステリーを読んで、人の名前を覚えられないわ、そこに馬の名前も加わるわで、いささか往生した…。
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名作揃いのフランシス作品の中で、ベストとは思わないけれどもかなり気に入っている作品であった。今回本当に久しぶりに読み直してみて、頭の中にあったイメージよりもずっとずっと「異色作」であったことに驚いた。 事件としては、そう珍しいものではない。主人公は清廉潔白とは言い難い新聞記者で...
名作揃いのフランシス作品の中で、ベストとは思わないけれどもかなり気に入っている作品であった。今回本当に久しぶりに読み直してみて、頭の中にあったイメージよりもずっとずっと「異色作」であったことに驚いた。 事件としては、そう珍しいものではない。主人公は清廉潔白とは言い難い新聞記者である。彼の友人が自殺し、その背景を主人公が探るうち深入りしてしまい、敵の執拗な攻撃に遭う、というプロットは、フランシスの場合むしろよくある話だ。敵の脅迫に屈しない主人公の闘志も、いかにもフランシスらしい。 例外的なことのひとつは、主人公の「家庭環境」である。前シリーズの中でももっとも印象的と言っていい。そして、そのことが主人公の心理に与える大きな影響は、読んでいてハラハラしてくるほどだ。一人称の物語の場合、どうしても主人公の視点で物語を見ていくのだけど、それを少し批判的に読んでいくと、ますます苦みが感じられる。 そういうことを背景にした、主人公の振る舞い(ネタバレにならずに書くのはきわめて難しい)は、まさにシリーズ中では異色中の異色で、全作品を読んだ後で改めて読み直すと、本当にびっくりする。それが心理的な意味でも彼を追い詰めるわけであるし、彼が戦う相手が自分自身であるという点で、中期の作品の(毛色の変わった)先駆けなのかもしれない。 ただし、最後の数行はいただけない結末で(すごくわかるけど)、一年後くらいにやってくる次の悲劇をどうしても想像してしまう。男って、悲しいね。 どうも読み直してみると思うのだけど、僕にとってこの作品が魅力的だったのは、強い男のどうしようもない弱さのため、そしてラストに近いところにあるゲイルという女性の言葉のためだろう。全体としてはそれほどの傑作ではないかもしれないが、僕にとっては妙に気になる作品である。
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