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拉致 左右の垣根を超えた闘いへ
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | かもがわ出版 |
発売年月日 | 2009/05/10 |
JAN | 9784780302745 |
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商品レビュー
3.5
8件のお客様レビュー
蓮池透さんといえば、かつての「家族会」事務局長として、ちょっと迫力のある風貌とも相まって、対北「強硬派」の急先鋒であるようなイメージがあった。 けれども最近は、世論の流れとは逆方向と思われる「融和派」に転向?しているという話を聞いて(新聞で読んだんだったかな)、なぜだろう、そし...
蓮池透さんといえば、かつての「家族会」事務局長として、ちょっと迫力のある風貌とも相まって、対北「強硬派」の急先鋒であるようなイメージがあった。 けれども最近は、世論の流れとは逆方向と思われる「融和派」に転向?しているという話を聞いて(新聞で読んだんだったかな)、なぜだろう、そしてその背景にはなにがあるのだろう、というのが知りたくなった。 で、今年5月刊のこの本。わずか100ページあまりのむしろ小冊子だが、考えさせられる中味だった。 2つの部分に分かれている。 前半は、政府・外務省がいかに対北朝鮮施策を誤って来たかがつづられている。(蓮池さんは明確に「失態」と書く) ひとことで言えば、無策で行き当たりばったり。こまかいところで北朝鮮を欺くかのごとき対応が続いて、外交上の信頼性を失い、膠着状態を作り上げてしまった、と。 本の後半は、ではどうするかということだ。 そこで、日本としては「過去の清算」をしなければならないという話(これには禿同である)と並んで「融和」が出てくる。現状では互いに強硬には強硬をという水掛け論しかない。日本が先に譲歩することが打開への道だ、と氏は説く。 相手国家に対して先に譲歩するのは確かに不安だが、現状ママでは間違いなくなんの展望も開けないだろう。いかにオトナのふるまいができるかが(国際的な支持を得られるかも含め)カギだという主張には納得できる。
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北朝鮮の立場:金正日が拉致を認めて、謝罪したのだから解決したと思っている。 日本の立場:解決していない。早く返せ、との一点張り。 両者の主張がかみ合わず、こう着状態になっている。 北朝鮮は被害者を一時帰国させるつもりだった。何かしらの秘密情報を知っているはずだから。 5人生存...
北朝鮮の立場:金正日が拉致を認めて、謝罪したのだから解決したと思っている。 日本の立場:解決していない。早く返せ、との一点張り。 両者の主張がかみ合わず、こう着状態になっている。 北朝鮮は被害者を一時帰国させるつもりだった。何かしらの秘密情報を知っているはずだから。 5人生存8人死亡で、家族会が小泉首相にもっと感謝を表していたら、小泉さんはもっと頑張ったと思う。小泉さんはすごく頑張って、ここまでやったのに、家族会が楯突いて、それらがマスコミに報じられていたから、小泉さんからしたら、「もう勝手にしろ」という気持ちになってしまったのではないか。 北朝鮮は遺骨を出せばいいと思っていた。日本(帝京大学)で横田さんでないことがわかった。外務省も困った。 日本政府にどうやって交渉するのかという戦略がない。制裁を背景に交渉するだけだったから、制裁が国際的に認められないと、他に手段がなくなってしまう。交渉しか手段はないけど、交渉の窓口もなく、相手にされていない。さらに交渉が実現したとして、その交渉で何を主張したら北朝鮮を動かせるかというものを何も持っていない。 拉致問題の解決なくして、国交正常化交渉はないという人がいる。一方で、国交が正常化されれば自由に北朝鮮と行き来できるから、拉致問題も解決するという人もいる。
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蓮池さんは、家族会におられたときに、スポークスマンで、その冷静で論理的かつ切れ味鋭い発言が存在感がありました。 ただこの著作では、肝心なところで根拠とか論理性が飛んでしまっている箇所がたくさん見受けられたように思います。 根拠の説明に乏しく、蓮池さんらしからぬ印象も持ちました。...
蓮池さんは、家族会におられたときに、スポークスマンで、その冷静で論理的かつ切れ味鋭い発言が存在感がありました。 ただこの著作では、肝心なところで根拠とか論理性が飛んでしまっている箇所がたくさん見受けられたように思います。 根拠の説明に乏しく、蓮池さんらしからぬ印象も持ちました。 全体に文章もやや拙い感じもしますし、漢字記載すべき用語がひらがなだったり。 過去の「日本の過ち」と言われることに関して、蓮池さん自身は過去に事実として何があったのは自分にはよくわからないといっています。 ですが、過去に日本が朝鮮から強制連行した(と言われること)を事実として、弟さんたちの拉致問題を並列に扱っている点が、蓮池さんが「左翼化した」と言われるのではないかと思います。 「強制連行したし、拉致された日本だから、北朝鮮のこともよく気持ちをわかってあげられる・・・」というのは、そもそも歴史認識が異なる人にはまったく受け入れられないでしょう。 根本的な問題として指摘しているのは、ポリシーと一貫性なき日本の外交です。この点は深く同意します。 この拙さが、家族という被害者にまで多大な負担を強いていることです。 ピョンヤン宣言、村山談話など、過去に何度も日本の政治家が非を認めて誤っちゃっているわけですから・・・ 国のトップがそう言ってる以上、ちゃんと謝って償いをして、被害者が帰ってくるならそれも手法としてありじゃないか、と。 極端なことを言えば、国のポリシーとして、拉致被害者が帰ってこないとしても、国はこれでいく!と政官一体で取り組むなら、それもありですが、それすらない日本のありようにつくづく呆れ、嫌気が差すのもごもっともです。 蓮池さん自身、左でも右でもない、とおっしゃっています。無自覚に左的なところも垣間見ましたが、まだ帰ってこない拉致被害者の帰国を今でも深く望んでいる気持ちは変わりないでしょう。 たまたま弟さんが拉致にあったがために、蓮池さん自身も大変な人生を送ってこられたわけですからその点は深くご同情したいといつも思います。
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