安吾 戦国痛快短編集 PHP文庫

坂口安吾【著】

• 内容紹介: 戦国に詳しくなくてもこの疾走感に絶対ハマる！
• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2009/05/22
• JAN: 9784569672472

商品レビュー

2016/11/24

純文学

[長束]

梟雄、決戦川中島　上杉謙信の巻－越後守安吾将軍の奮戦記ー、狂人遺書、イノチガケ

短編四作品収録。
梟雄は斎藤道三、決戦川中島は作者の取材旅行？と小説が入り混じる。狂人遺書は、秀吉本人の独白で朝鮮出兵の別解釈を展開する。イノチガケは、日本のキリスト教徒殉死の記録。
歴史を題材にした純文学といった印象。イノチガケが息苦しく白眉。

2022/11/28

図書館で何気なく手に取って読みました。坂口安吾の歴史小説から戦国モノ4篇を収録。斎藤道三の生涯を描く「梟雄」、豊臣秀吉が半生を回想する「狂人遺書」は、安吾ファンならずともグイグイ引き込まれるはずです。キリシタンの殉教を題材にした「イノチガケ」、これずいぶん昔に読みました。当時はこんな書き方があるのかと呆気に取られました。悲劇性を廃し、突き放すように淡々と描かれます。時にエッセイ風、批評的と言われ、ひと味もふた味も違う安吾の歴史小説。おすすめです。創作の裏話に触れた半藤一利氏の「解説」も面白い。

2010/11/02

どの話もとんとんと読みやすく面白い。

期待していた『狂人遺書』は、『安吾史譚』に収録されている『小西行長』の解釈に沿った、秀吉による朝鮮出兵の「真相（仮）」語り。
非常に良かった。