地域メディアが地域を変える

河井孝仁, 遊橋裕泰【編著】

• 販売会社／発売会社: 日本経済評論社
• 発売年月日: 2009/04/30
• JAN: 9784818820487

商品レビュー

2015/07/21

地域情報の構造や地域メディアの持つ特性についての理解を深めることができた。

地域メディアの役割の1つとして、

「てんでに走り出しているロバに轡をかませて、結果的に地域活性化という同じ車を引かせる」

という記述が印象的だった。

地域の宝ともいえるヒト・モノ・コトは、いまや地域にたくさん存在する。

が、しかし、そうした資源を上手く活かし切れている地域と、そうでない地域がある。

そうした地域の違いを生んでいるのは、地域の情報（ヒト・モノ・コト）を上手に活用できる「編集者」の存在であると考察できる。

地域に眠る資源を上手に活用して、伝えたい人にしっかりと伝えることができる地域こそ、これからの社会においても生き残っていける地域だと確信する。

そうした情報編集を行ううえでも大切になってくるのは、webメデイアの存在である。

今では、地域に多く存在するwebメディアであるが、これからは、しっかりと目標とターゲットを明確にしているものだけに淘汰されていくと考える。

ただの「自己満足」や「生き甲斐のためのメディア」にとどまらず、

誰に何を伝えるためのものなのか？

その効果を図るものは何か？

をしっかりと意識したうえでの運用が必要不可欠になる。

そうした大前提を踏まえたうえで、webメディアを有効活用し、ユーザーを関心事項でゆるく結びつける仕組みを構築していく。

また、インターフェースの共有化やユーザーの新陳代謝（入れ替わり）を上手に促す機能を付随させることで、より魅力的な地域メディアを創造することができるのでと感じた。

地域の人口減少が深刻化する現代こそ、圏外の多くの人に地域の魅力を訴求できるメディアとの関わり方を考えることは必須である。

メディアとの上手な共存を通じた地域の魅力発信に活かしていきたい。