10万年の世界経済史(下)
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10万年の世界経済史(下)

グレゴリークラーク【著】, 久保恵美子【訳】

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10万年の世界経済史(下)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日経BP社/日経BP出版センター
発売年月日 2009/04/27
JAN 9784822247423

10万年の世界経済史(下)

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商品レビュー

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2024/10/18

経済成長率は、資本量、土地面積、生産の効率性のそれぞれの成長率に、それぞれの係数を掛けたものの合計で表される。近代経済においては、土地の重要性が極めて低く、資本量の係数は0.24で、効率性の向上の影響が大きい。 ポメランツは、ヨーロッパが経済の均衡状況から脱出した要因を石炭と植...

経済成長率は、資本量、土地面積、生産の効率性のそれぞれの成長率に、それぞれの係数を掛けたものの合計で表される。近代経済においては、土地の重要性が極めて低く、資本量の係数は0.24で、効率性の向上の影響が大きい。 ポメランツは、ヨーロッパが経済の均衡状況から脱出した要因を石炭と植民地に求めている。人口の多い地域から容易に到達できるところに石炭の鉱山をあったこと、アメリカ大陸で生産された食料や原料を大量に輸入することができたことで、環境的な制約を打破することができたという。 著者は、イギリスで1200~1800年に文化的、遺伝的に経済的成功者の価値観が社会全体に急速に広まったことにあると推測している。1800年の時点で、土地、労働力、資本市場の各面で、中国はイギリスとほとんど同じ状況にあったが、中産階級社会の成立に関連する指標である教育水準や利子率の水準は、イギリスはアジアの国々より優位に立っていた。 消費活動には、予算と時間の2つの制約がある。所得が増えて予算の制約が緩むと、時間の制約が重要になり、消費者の購入対象は、消費にかかる時間が短い財にシフトする。子供は必要とされる時間が極端に長いため、所得の増加に伴って子供の数が減っていく。夫婦の望む子供の数は所得とは無関係で、望まれる存命の子どもの数が常に2~3人だったとも考えられ、死亡率の低下とともに出生率も低下した。 一人当たりの所得が国によって異なる要因も、経済成長の要因と同じだが、資本が各国間を容易に移動できる世界では、資本量そのものが各国の効率性の違いに応じて決定されるため、効率性の違いが各国間の所得格差のほぼすべてを説明できる要因になっている。効率性に違いが生じたのは、主に技術を有効に活用できなかったこと、生産活動で労働力を有効に活用できなかったことである。この労働生産性の格差は、各国の生産活動における労働力の質の違いから生じたと考えられる。その質の違いの大きな要因は、その国の社会的環境に求められる。

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2024/06/20

産業革命はなぜ起こったのか、豊かな国と貧しい国の格差は何故なくならないのかについて論じている 上巻と同じようにデータを並べながら解説していて、下巻よりは面白いけど相変わらず難しい 貧しい国では人件費の安さから、効率を上げるために雇用する人数を増やすことができて、その結果一人当...

産業革命はなぜ起こったのか、豊かな国と貧しい国の格差は何故なくならないのかについて論じている 上巻と同じようにデータを並べながら解説していて、下巻よりは面白いけど相変わらず難しい 貧しい国では人件費の安さから、効率を上げるために雇用する人数を増やすことができて、その結果一人当たりの生産は増えないことは分かった。しかし、そこから結論の幸福度の話になったのはやや急な展開な気がした また現代の産業はミスがその後の工程に大きく影響したり、ミスした製品は取り返しがつかない状態になるものが多く、ミスが多くなるくらいなら安い人員を大量に確保することを選ぶため、貧しい国の効率は上がらないとあったが、もう少し詳しく書かれても良かったかと思う

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2019/05/04

論理的な面で筆者の主張に違和感を感じてしまうのは気のせいなのか・・ イギリスではなく、なぜ他国で産業革命が初めに起きなかったかの考察では、アジア諸国ではなく、欧米諸国との比較が欲しかった。 長期安定国家の存続という要素に基づき中国や日本でも時間軸次第では産業革命の自発的勃興が起こ...

論理的な面で筆者の主張に違和感を感じてしまうのは気のせいなのか・・ イギリスではなく、なぜ他国で産業革命が初めに起きなかったかの考察では、アジア諸国ではなく、欧米諸国との比較が欲しかった。 長期安定国家の存続という要素に基づき中国や日本でも時間軸次第では産業革命の自発的勃興が起こり得たとの見解と、社会階層の下方推移が産業革命成立の長期的要因であるとの作者説明は相反するように感じた。 今日の国際国家間の貧富の差が、国民各々の効率性によるものである、との一点張りも苦しい説明で、なぜ効率性の違いが社会によって違うかについては立証不可能として匙を投げてしまってるのもどうかと思った。結局は18世紀以前の社会についてはマルサス経済論のモデルをうまく当てはめることができるが、それ以降は複雑すぎて分からないということが結論とされており、何のための書籍だったのかと残念に思った。 格差拡大の近因についても、先進国の人たちはマジメだから成功した、インド人はアホで怠け者な労働者しかいないからダメだ、という薄い内容にしか読み取れず…紡績ラインに絞った米印比較だけでは説得力もない。 貧者がいて初めて富者は満足するという主張は分からなくもないが、豊かな国と幸福度に相関関係が無いなどの話題は、そもそも本書のテーマに沿わずに無意味。

Posted by ブクログ