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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2009/04/25 |
JAN | 9784480815026 |
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
水村氏の「日本語が亡びるとき」における漱石の「三四郎」論に刺激をうけ、漱石をまとめ読んでいるところだが、その中休みに、水村氏の新作を読んでみる。 新作といって、この20年くらいのエッセイ集。漱石や谷崎を論じたエッセイがやはり実に素晴らしい。 で、水村氏の日本文壇デビュー作...
水村氏の「日本語が亡びるとき」における漱石の「三四郎」論に刺激をうけ、漱石をまとめ読んでいるところだが、その中休みに、水村氏の新作を読んでみる。 新作といって、この20年くらいのエッセイ集。漱石や谷崎を論じたエッセイがやはり実に素晴らしい。 で、水村氏の日本文壇デビュー作であるド・マン論2編も最後に出てくる! そうなんだよな、水村氏は、いまでこそ、「アメリカに馴染めず、古い日本文学ばっかり読みあさっていた」というイメージなのだが、最初は、イェール大学でド・マンの指導を受けた脱構築的評論家というイメージだったんですよね。その才媛の理論家が、プラクティスとして「続明暗」を書いた。という紹介のされ方だったんですよね。 で、この立派なド・マン論を読むと、水村氏の出発点を再確認するとともに、彼女がそこからいかに遠くまで離れてきたか、との感慨をもった。もちろん、それは、水村氏の本来の姿に戻って行く道のりでもあるのだけど。 そういう意味では、この本は、テーマごとではなくて、書かれた順番で編集したほうが面白かったのではないかな。漱石論も初期のものは、結構、ポストモダーンな批評という印象が強いので。。。 でも、いきなり冒頭にド・マン論から始まると、本の売り上げも下がるだろうね。 ド・マンといえば、ガヤトリ・スピヴァクが弟子で、有名だが、水村氏とスピヴァクって、なんかコネクションあるのだろうか?そういう話はきいたことないが。 最近の水村氏の英語の世界言語の支配と他の言語の衰退という論点から考えると、スピヴァクのポストコロニアル批評は、シンクロするところもありそうだけど。
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「虞美人草」を読んだので,水村美苗さんの虞美人草に関する評論,『「男と男」と「男と女」--藤尾の死』を(たぶん)再読.ヒロイン藤尾を嫌う漱石の心を,英文学を嫌う心からあぶり出す力作.さすがプロの読み手.論理の芯の通った文章もすばらしい. もう一つ続けて『谷崎潤一郎の「転換期」--...
「虞美人草」を読んだので,水村美苗さんの虞美人草に関する評論,『「男と男」と「男と女」--藤尾の死』を(たぶん)再読.ヒロイン藤尾を嫌う漱石の心を,英文学を嫌う心からあぶり出す力作.さすがプロの読み手.論理の芯の通った文章もすばらしい. もう一つ続けて『谷崎潤一郎の「転換期」--春琴抄をめぐって』を(たぶん)再読.言文一致体とそれに抑圧されていた日本語を意識的,重層的に使い分けることによって,逆説的なリアリティを獲得した小説の世界. 深い読みに感心した.
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文学を書くこと、近代文学の成り立ちを中心にしたエッセイ集。米国で日本文学を友に育った水村美苗の幾重にもマージナルで屈折した文学感が逆に本質を照らし出す。ビビッドな視点と階層的な考察。ただ最後のドマンの論考は唐突過ぎてよくわからなかった。
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