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女の一生(下) 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 1951/03/26 |
| JAN | 9784101060040 |
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女の一生(下)
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女の一生(下)
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商品レビュー
4.4
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私ごとながら性別男でして、女の一生を送ることはできませんが、 これを読んで、時代の違いはあれど、とある女性の人生を疑似体験し、 その生き様から普遍的なこの世の理をすこしでも掴み取れれば、 そんな風に思ってました。 作者様は『生きとし生けるもの』が未完で不完全燃焼に終わっているため、 タイトルを変えてなんとしても描ききりたかったんでしょうか? そのくらい途中までの展開がやけに酷似しているので、 これは同作のスピンオフと捉えても良いのかなと読みました。 主人公の御木允子はそこそこ裕福な中流家庭の生まれで、 無邪気な少女時代から成長の過程で、余計なプライドが高い人格に 育ってしまったことが災いし、イメージしていた人生とのギャップから 歯車が狂い出し、道ならぬ恋からの私生児出産、ここまでが上巻に描かれ、 下巻では、母親となった彼女を取り巻く環境からの冷酷な洗礼、 大切な人たちとの別れを経たその末に、彼女が至る未来への道、 こんな内容が綴られています。 昭和の最初期、女性の社会進出が偏見を持って捉えられていた時代に 出産をして家庭を守って夫に仕えるだけのモデルケースの様な生き方でなく、 どちらかというと日陰に追いやられて辛い声をあげることもできずにいた、 そんな立場の女性にスポットライトを当てて、 彼女たちの心の奥底から湧き出る悲痛な叫びの代弁者として、 山本有三渾身の筆致がうなります。 筆者の代表作・路傍の石が、封建社会の精神における負の遺産を背負わされた 若い世代の生き様の最大公約数であったとしたなら、 この作品の発表時はちょうど昭和恐慌の真っ只中にあり、 出産直後から育児に追われる立場の弱い允子とおなじ境遇の 母親たちが、思うように働き口を見つけられない苦境など、 女性の生き辛さに特にフォーカスを当てて投影したもののように映ります。 よしんば職にありついても、善意を踏みにじられては 違法な堕胎手術の罪を押し着せられて留置場に投獄される、 行く先々で都合よくに主要な登場人物がたびたび現れる、など、 さすが劇作家のつくる純文学、抑揚に富んでますし、 いつもと同じく展開にムダがまったくありません。 自分は半分ほど読んだ辺りで、 『素直な心で相手に向き合うことができないでいると、もともと手に入るはず だったささやかな幸せすらも、手のすきまからさらさらと落ちていってしまう』 そういうニュアンスを受けとってたつもりだったんですが、 読み終わったいまは、少し受け止め方が変化し、 仮に允子がその『素直な心』を持ってして幼馴染の昌二郎との関係を 成就させていたとしても、よくて家庭を守る母の姿のそれ以上には 決してなることはなく、 この作品の最終章である『第二の出産』で語られている、 これからは女性として誰かに守られること・子を守り育てること、それだけでなく、 それを更に飛び越えたステージへと行く未来を描くことが大事なんだと、 そんな筆者の投げかける新しい世代へ向けたエールが聴こえてくるようでした。 なかなか女性の社会進出と一言で言っても、過去も現在も いまだ大して変化はないのかなと考えるところはあります。 昭和初期とは違い令和の今は多様化の時代、日本人は 山本有三が期待していた様な進歩はしていないかも知れません。 彼が作中で比喩とした、みんなで未来へつなぐ『メディシンボール』は 時代を経て環境が変化しても、本質そのものは普遍的であり、 社会が人を育て、人が社会を育てる相互作用をしつつ、 これからも難解なドラマを描いていく事になるのでしょう。 未来の形がどうなっているか、自分もその『環境』の末端で 行く末を見守りたいと思います。
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允子と夫が手塩にかけて育てた一人息子の允男は頭も良く、大学生になる。しかし彼は友人の影響で左傾し始める。ついに警察に逮捕され釈放されるがある日、両親に手紙を残し家を出てしまう。彼にとって思想は親の愛よりも重要な捨てがたいものであった。允子は悲しみに打ちひしがれ、やがて病を患ってい...
允子と夫が手塩にかけて育てた一人息子の允男は頭も良く、大学生になる。しかし彼は友人の影響で左傾し始める。ついに警察に逮捕され釈放されるがある日、両親に手紙を残し家を出てしまう。彼にとって思想は親の愛よりも重要な捨てがたいものであった。允子は悲しみに打ちひしがれ、やがて病を患っていた夫は他界する。允子はある芝居を観てその中で母親がひたすら子供を頼って生きている姿を情けないと思い、自分と重ね合わせた。そして彼女はまた医者として開院して生きていく決心をする。出産とは子供との最初の別れであり、成長した子供が親元を離れていく時は第二の出産であると彼女は思った。寂しいけれどそうならなければいけないし、親は自分で生きていく道を探していかなくてはいけないのだとわからせてもらった本であった。
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(1966.03.31読了)(1966.03.31購入) *解説目録より* 山本有三は常に構想に腐心、芸術的良心の強さはわが文壇の一異彩である。「女の一生」の充子の生涯は波瀾に富み、女という不利な社会的地位の重圧をはねのけて、あやまちを重ねながらも人間的自覚と社会的独立へ一歩一歩...
(1966.03.31読了)(1966.03.31購入) *解説目録より* 山本有三は常に構想に腐心、芸術的良心の強さはわが文壇の一異彩である。「女の一生」の充子の生涯は波瀾に富み、女という不利な社会的地位の重圧をはねのけて、あやまちを重ねながらも人間的自覚と社会的独立へ一歩一歩のぼってゆく過程は、人生の方向に力強い指針を与える。ヒューマンな代表作。
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