商品レビュー
3.7
12件のお客様レビュー
事例としてあげられている春画と、その解説は面白かったものの、タイトルとはなんかズレている気がしないでもない。 広く浅くという感じで、春画というものの変遷が語られている。 直接に表現せず、周辺を子細に描き込むことで対象をかきあらわすというのが日本のスタイルで、文学でも絵でもこの手法...
事例としてあげられている春画と、その解説は面白かったものの、タイトルとはなんかズレている気がしないでもない。 広く浅くという感じで、春画というものの変遷が語られている。 直接に表現せず、周辺を子細に描き込むことで対象をかきあらわすというのが日本のスタイルで、文学でも絵でもこの手法が使われているという論には、なるほどなあと思い当たるものを感じた。 また隠すこと=見せることという感覚は、昔からあるんだなとか思う。絶対領域的な発想やね。 覗きに対する論もちょっと面白い。覗くという行為は、そもそも笑われてしかるべき行為であるという。身も蓋もない言い方には笑ってしまった。 表紙の絵がすごく良い。春画だといえるのか疑問だけど、エロい。
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春画がなぜ単なる猥雑画ではなく、海外にまでコレクターのいる芸術となり得たのか。そこには日本特有の、こうしたものにすら粋や笑いを求める気質がある。だから春画には女だけでなく必ず男女が描かれる。
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日本で本格的に春画研究が始まった90年代後半〜2001年にかけて書かれた春画論。 本論に入る前の「江戸はトランス・ジェンダー」という若衆論が、日本の男性アイドル観のようで面白かった。「男にとっても女にとっても、若衆は自分と同じ性をもっていて、しかも非現実的な存在だった。男にとっ...
日本で本格的に春画研究が始まった90年代後半〜2001年にかけて書かれた春画論。 本論に入る前の「江戸はトランス・ジェンダー」という若衆論が、日本の男性アイドル観のようで面白かった。「男にとっても女にとっても、若衆は自分と同じ性をもっていて、しかも非現実的な存在だった。男にとっては女の生々しさがなく、女にとっては男のむさくるしさがない。この世の者ではないかのような浮遊した存在なのである」。肝心の春画紹介では若衆は一、二枚しか出てこず残念。 日本のポルノである春画は(というか浮世絵全体だと思うが)、服飾芸術と強く結びついてハイコンテクストな世界を作っていた。それは文学においても同じで、のちの鏡花まで続いていく。黎明期からたくさんの絵師が紹介されるのだが、やっぱり歌麿だけ笑ってしまうくらいクオリティが高い。北斎は「関係を描くことや、絵を見る側の内面を想像することのできない絵師だったのかもしれない」という指摘が面白かった。
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