おいしさの秘密！ ナレッジエンタ読本17

伏木亨, 飯島奈美【著】

• 販売会社／発売会社: メディアファクトリー
• 発売年月日: 2009/03/23
• JAN: 9784840127370

商品レビュー

2012/07/04

主に栄養科学者の視点から対談は進んでいたが、フードアナリストとの対談は興味深かった。「美味しいもの」の理由を実は科学で説明出来ることがわかり、1つ1つ大変腑に落ちた。個人的に覚えておきたい知識がところどころに散りばめられていたのでまた読み直したいと思う。

走り書きだが気になる点を覚書程度に▼

・温度受容体は騙されてしまうことがある。40度あるお風呂の中にハッカの葉っぱを入れても体は28度に感じてしまう。（唐辛子を熱く、ハッカを冷たく感じる理由はココにある）
・体温に近いものは美味しくない
・良い食感だと感じるときは予想通りのものだった時
・焼きそばは時代遅れ（ゆで麺のみが先導している、また油が塗ってあるため茹でたてのビーフンやパスタのように肉や野菜の旨味を吸わない。）
・違う食感のものを一緒に食べるようにすることから生まれるおいしさ（パリパリのチョコが入ったアイスクリーム）
・卵は本来黄色（ビタミンE)だったが消費者の思い込みでオレンジにするほうが売れるためそのようになる餌を与えているだけ。
・大勢で食べる方が美味しいのは、敵が来ても戦える安心感
・人間の満足感は血糖値が高くならないと得ることが出来ない。血糖値が上がることで脳の満腹中枢に刺激が伝わる。前菜がサラダやカルパッチョなど酸味のあるものとなっているのも食欲増進のための策
・自分にとっておいしいものとは自分の体に不足しているもので、それを食べていれば健康になれる。一方で体は基本的に飢餓の状態に設定されているため、飽食の事態には対応していない。ゆえに食べる量に制限をかけられない。
・体は主にタンパク質で作られているためタンパク質を摂らない人は代謝が落ちる。体が適応しようとする。
・精白前の玄米にはビタミンB1がたくさん含まれているが精白すると大幅に減ってしまう。
・レモン１個あたりのビタミンCは農林水産省によって２０ｍｌと設定されているが、実際１００ｍｌある。ゆえに２０００個分などという表示は多めになる。
・アルコールと糖類と脂肪だけは理性でストップが効かない。
・理性で盗らなければならないのはカルシウム（骨にいっぱい蓄えがあるため欠乏しても命に別状はない）
・野菜の苦味やエグ味は参加によって生まれる（たけのこの白い粉はチロシン→ホモゲンチジン酸、しゅう酸）
・魚の種類によっては死後硬直の時間に差があり、食べどきも異なる。旨味が出てきて美味しい時期と歯ごたえとして一番良い時期のバランス）
・真空は肉を殺す。空気を必要とする酸化作用なども熟成がうまく進むための必要条件
・男性が好きなモノは消化するまで栄養素かどうかもわからないもの、女性が好きなモノはすぐエネルギーになるかわかるもの。女性は疑い深い？
・クエン酸のさっぱりした味はエネルギーが得られることを期待させる味。だから疲れると酸味が欲しくなる。
・ビールはカリウムがほとんど。細胞はナトリウムを外に出そうとするのでビールをたくさん飲むとナトリウムがどんどん不足していく。ゆえに塩辛いものがおつまみに。
・アルコールの強いお酒は糖分が欠乏していく。アルコールを飲むと体が熱くなるので脳は体内にエネルギーがあると錯覚する。脳はもういらないと判断して血液中に流れていた糖分を脂肪に変えてしまう。糖の合成も止まる。アルコールをいっぱい摂ったことによって血糖値が落ちて、でんぷんを補給したくなる、ゆえに飲み後のラーメン。
・しいたけの旨味はグアニル酸という核酸系統、昆布はグルタミン酸というアミノ酸系統。一緒になると６－８倍旨味が増す。相乗効果。
・朝起きると肝臓はカラカラ。寝ている間に糖は使われるから朝起きた時には肝臓のグリコーゲンもかなり減っている。朝起きたら糖分を補給してグリコーゲンを蓄積させるべき。糖質に富む朝食が大事と言われる理由はココにあり。
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