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日清戦争 「国民」の誕生 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2009/03/21 |
JAN | 9784062879866 |
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商品レビュー
2.5
6件のお客様レビュー
慶應の「比較文化論」の講義が元ネタのようで、社会史・文化史の観点から日清戦争を契機とした「国民」の誕生を論じている。よって、政治史・外交史としての日清戦争そのものを論じているわけではないので、題名は誤解を招く気がする。ただし、知らなかったエピソードも結構あって、ネタ的な読み物とし...
慶應の「比較文化論」の講義が元ネタのようで、社会史・文化史の観点から日清戦争を契機とした「国民」の誕生を論じている。よって、政治史・外交史としての日清戦争そのものを論じているわけではないので、題名は誤解を招く気がする。ただし、知らなかったエピソードも結構あって、ネタ的な読み物としては面白い。ネタ系以外で興深かったのは6章で、軍隊と学校の関係性や類似性についてはさらに深堀可能に思えた。今後考察していきたいテーマになりそうである。 日清戦争は近代日本初の大規模な対外戦争であり、これを契機として民衆意識の点において「江戸時代的なもの」が一掃されたと解釈可能ではあるし、時代の転換点だったとも言えるのかもしれない。という意味において、社会史・文化史系の研究者は日露戦争よりも日清戦争を語りたがる印象を受ける。他方、政治史・外交史系の研究者にとっては日清戦争は日露戦争への通過点でしかないのか、日露戦争と比較して日清戦争を重要視しない傾向があるのかもしれない。これらの差異が、冒頭で問題提起されている「断層」に表れており、国内外問わず歴史認識の落差と相互理解の難しさに表れているように思える。先日読んだ加藤陽子の『戦争の日本近現代史』に対する著者の批判にその辺の一端が垣間見えたような気がした。
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- ネタバレ
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2009年刊行。著者は恵泉女学園大学人文学部准教授。◆江戸時代、日本は分権国家であり、日本という意識よりは「おらが藩」「我が地元」という感覚で世界を把握していた。しかし、初めての大規模対外戦争となった日清戦争、その戦争に関する情報伝達(演劇・文学・戦争報道など)が「近代的意味の日本」という意識を多くの人々に齎した。かかる観点から、日清戦時下の社会史という切り口で叙述する。
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昭和の戦争における「帝国の破綻」をよく知ろうとすると、当時の「大陸政策」を知らなければならず、「大陸政策」の原因を追いかけると「日露戦争」にさかのぼらざるを得ない。 そして「日露戦争」の原因を探ると、朝鮮の確保をめぐる清国との「日清戦争」を知りたくなって、本書を手に取ってみた...
昭和の戦争における「帝国の破綻」をよく知ろうとすると、当時の「大陸政策」を知らなければならず、「大陸政策」の原因を追いかけると「日露戦争」にさかのぼらざるを得ない。 そして「日露戦争」の原因を探ると、朝鮮の確保をめぐる清国との「日清戦争」を知りたくなって、本書を手に取ってみたが、本書は「日清戦争」の政治的・歴史的な考察ではなく、当時の日本の「国民的雰囲気や文化状況」を追いかけたものであった。 なるほど、「歴史は」一部の指導者のものだけではないから、当時の「国民性」や「社会の雰囲気」をしることもアプローチのひとつだろう。 「オッペケペー節の川上音二」や「歌舞伎」についての考察も「近代演劇史」という観点からは興味深いし、当時の国民が異様な熱狂をもって「戦争」を迎えたこともよくわかったが、「日清戦争はたしかに巨大な狂気だったが、それは日本社会が近代化する課程で潜り抜けなくてはならない狂気だった。その狂気を共通体験として、日本は近代的な国民国家になった」との本書の見解はどうなのだろうか。 「国民の狂気で戦争を正当化」といっては言い過ぎかもしれないが、「歴史」の捉え方としてはいかがなものかという感想を持った。 著者は「文化学」が専門らしいから、本書のようなとらえかたになるのだろうが、「日清戦争」を知ろうとするにはちょっと不満が残ると思えた
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