フーゾク進化論 平凡社新書456

岩永文夫【著】

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 2009/03/13
• JAN: 9784582854565

商品レビュー

2023/08/22

　日本では無数といっていいほど、性産業サービスが発達しており、多くの大人がそのサービスを享受している。では、なぜここまでサービスが枝分かれしており、その違いは何であるのか、そのような疑問に答えてくれるのが本書である。
　著者によると、現在の性産業の原型は敗戦直後の日本まで遡るという。日本は敗戦後、街は跡形もなく消えてしまった。当時、わずかな食物で生計を立てる最中、ＧＨＱは、性処理を想定した組織作りを遂行した。それは「ＲＡＡ」と呼ばれており、結果は設立当時の意図通りにはいかなかったものの、これが後の性産業に繋がったのである。
　では、性産業が多様化した要因は何であるのか、これは一言でいうと、その当時の法律の規制や取り締まりが大いに関わる。これらが施行されると、法律に引っかかってしまい、営業できなくなる。そこで、その法律に引っかからないように風俗経営者は試行錯誤をしてイノベーションを起こした。それにより、従来にはなかったサービスを提供できるようになる。この繰り返しが、結果的に現代の多種多様なサービスに至るのである。窮地に追われ、困難な状況に置かれた場合に、新しいアイデアと革新的な事業を生み出せる。

2021/05/11

産業としてのフーゾクを時系列で追った一冊。
戦後からのフーゾク産業の進化の勢いが眩しかった。
時代背景を含めて考察されている点がとても興味深かった。
当時の物価も載せてくれていたので、金額がよりリアルにイメージすることができてわかりやすかった。

2019/02/09

ちょっと前に読んだ風俗の本に比べてこちらの方が格段に面白かった
結局一つの事象を描くときに意味がある、あるいは面白いということは、
その本人の思いを描くことなんじゃないかと思う
この人はフーゾクを面白がって書いている気がする。
いい部分も悪い部分もあるんだろうけど、
面白がっている
というとよくとりすぎかな
単純に前の本が、反対派が書いてるような本だったからかもしれない