ウージェーヌ・ルーゴン閣下 ルーゴン=マッカール叢書第6巻

エミールゾラ【著】, 小田光雄【訳】

• 販売会社／発売会社: 論創社
• 発売年月日: 2009/03/25
• JAN: 9784846004385

商品レビュー

2024/08/13

主人公である大物政治家ウージェーヌが戦う場のなんと難しいことか。 あまりに複雑な人間関係、利害関係。 支援してくれる人間にどのように恩恵を施すか。 窮地に陥った時でも彼らに約束した恩恵を与えなければならない。でもできない。さあどうする！と常に彼は戦い続けています。 政治家は政治家で求められる資質がある。この小説を読んでそう思わせられました。

2022/03/12

登場人物のほとんどが、みんな自分の利害のことしか考えていなくて、その欲望があまりにも生々しくハイエナのように貪欲すぎて、ルーゴンの権力欲やクロランドの支配欲の方がまだ純粋で真っ直ぐなもののように思えてしまう。自分の小さな世界の秩序を徹底的に寡黙に守るルーゴン夫人が、実は意外と政治家向きかも、などと思う。

2009/03/15

ルーゴン閣下が失脚したり返り咲いたりする話。

結構ツボにはまったのだが、終章唐突すぎる気がする。
第二帝政史を多少でも把握していれば、何が起きているのかはわかるんだけど、至る過程が物語としては唐突な気が・・・。

でもある部分ツボすぎて困るなコレは（笑）
ゾラは時たま女攻男受の話を書くからたまらんな……。
ドゥニーズとは正反対だけど、コチラも実に魅力的で、私が男だったら跪きたくなるぜ、クロランド…。