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豊田章男トヨタ再生!
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本実業出版社 |
発売年月日 | 2009/03/20 |
JAN | 9784534045270 |
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
今年(2009年)6月に正式にトヨタ自動車の社長になる豊田氏は、私が社会人になったころにトヨタへ入社して、初めの頃は一般大卒社員と同じスピードで昇進していたことを知っていました。 7年ほど前に取締役になってからかなり苦労をされてきたようですね。今回の社長就任は今までの実績を認...
今年(2009年)6月に正式にトヨタ自動車の社長になる豊田氏は、私が社会人になったころにトヨタへ入社して、初めの頃は一般大卒社員と同じスピードで昇進していたことを知っていました。 7年ほど前に取締役になってからかなり苦労をされてきたようですね。今回の社長就任は今までの実績を認められてのことだと思いますが、史上初の営業赤字という大変な時期に引き継いでいるのでお気の毒のような気もします。 考えようによっては大改革をするチャンスかもしれませんから、これから数年はトヨタに目が離せないです。 以下は気になったポイントです。 ・現在の渡辺社長は、トヨタの歴代社長が経験してきた「新工場の立ち上げ」を全く経験していないばかりか海外経験もない、リリーフに徹している(p17) ・トヨタでの最高レベルの意思決定プロセスは、副社長以上の取締役による「副社長会」で決定され、その決定をうけて取締役会において機関決定がされる(p21) ・奥田元社長は、当時手元にあった2兆円を超える手元資金を土地・株取引へいっさい向けず、バブル崩壊による影響を回避させた(p38) ・工場建設というのは、用地買収・資金調達・取引企業から調達・従業員配置等、大きな苦労をすることになる、これを経験した新社長の実績は評価されている(p67) ・章男氏はIT事業部の基礎となった「Gazoo」事業部を設立し、現在の車載ネットワーク「G-book」を展開するIT事業の創業者としての実績を残した(p78) ・松下家三代目の正幸氏は、副社長から副会長へと棚上げされ、社長になれなかった、この原因として「失敗させない帝王学」がある(p80) ・トヨタには同属経営の弊害を生まないための「バッドニュース・ファースト」がある(p93) ・1972年に日中国交化を成し遂げた田中元首相を中国側が今でも恩人として扱うのは、中国が「最初に井戸を掘った人の恩は忘れない」ことにある(p125) ・章男氏は、VI(バリューイノベーション)活動をスタートした、通常の原価低減活動ではなく、車の基本設計から材料にいたるまで総合的に見直すもの(p129) ・会長の章一郎は、トヨタが経営危機に瀕した際に強調融資を助けてくれた恩があるので、1000億円の第三者割当増資を引き受けることを決断、奥田は反対した(p169) ・トヨタは生産台数に加えて、世界販売台数で世界一になった瞬間(2008年)に、大きな代償を受けることになった(p184) ・2008年に世界販売台数が世界一になるとわかっていたので、北米販売に異変が起きていたにも拘らず、生産ブレーキのタイミングが遅れた(p189) ・はじめは目安として公開された目標値が、2005年から変化し始めた、グローバルマスタープランは目安から必達目標に性格を変えてしまった(p192) ・新社長は、2009年6月末の正式就任までに、グローバルマスタープランにかわる「マーケットビジョン:世界の各々のマーケットに合った販売体制の再構築」の策定準備をしている(p194) ・トヨタ中央研究所を上場しない理由は、先進技術の流出を防いでいる、東和不動産もトヨタグループの莫大な不動産を管理する会社であるから(p204) ・トヨタはエンジンと二次バッテリーを組み合わせたハイブリッド技術でも、燃料電池技術でも世界最先端である(p206) ・アメリカ保有の車は2.5億台、アメリカの消費者が25年に1回購入すると仮定すると1000万台(2008年の状況)となる、これ(25年保有)は異常事態であると章男氏はコメント(p210) ・トヨタは東海大地震のリスクを最小限とするために、地盤のゆるい豊田市から、岩盤の強い土岐・瑞浪・多治見へ移転する計画を持っている(p214) ・2008年9月末時点で、トヨタの内部留保は12.3兆円ある、ホンダ(4.6)、松下(2.8)と比較しても大きい(p217) ・トヨタには株主総会での議決が必要な内部留保以外にも、自由に使える手元資金が3兆円ある(p221)
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まさに温故知新。トヨタの源流は同時にトヨタの未来であると感じた。創業時の理念が脈々と未来に流れる強さ。まさにビジョナリーカンパニーだと、感じた。 豊田綱領はトヨタの強さ、トヨタの信念の源泉であり、歴代の経営者は常に回帰しており、今もなお求心力を発揮している。 強い組織には想いと...
まさに温故知新。トヨタの源流は同時にトヨタの未来であると感じた。創業時の理念が脈々と未来に流れる強さ。まさにビジョナリーカンパニーだと、感じた。 豊田綱領はトヨタの強さ、トヨタの信念の源泉であり、歴代の経営者は常に回帰しており、今もなお求心力を発揮している。 強い組織には想いと仕組みが必要とするならば、豊田綱領はトヨタ生産方式のような仕組みと対を成すものであると言える。 ■時流に先んずべし プリウスの開発。 じっくり作り込む文化が蔓延する中で、奥田は「出来たものは早く出せ」と一喝し、一年間販売を前倒した。 ■現地現物 人から聞いた情報では決断をしない。徹底的に自分で直接確認をする。モノもそう、マーケティングもそう。なんでも。 顧客の声を無視したマーケティングは愚の骨頂であり、また市場の動向を無視した経営計画は話にならない。 現地現物に従いバッドニュースファーストを徹底したトヨタでもGMを抜くことに躍起になり、リーマンショックに呑まれてしまったのだから、「決めたことをやり抜く」ことがいかに難しいかがわかる。(渡辺社長体制のタイタニック話) ■社会の公器 雇用を守るという徹底した強い意志。これは約束を果たすことができなかった喜一郎の無念に遡る。 トヨタは雇用を守り地域の生活を支えること国や地域へ税金を収めることで社会の公器としての役割を大切にしている。章男社長が国内300万台体制にこだわる理由はここにある。 ■実力主義 「トヨタは豊田家の家業ではない。だが、優秀な人が操業家ダカラという理由で社長になっていけないわけじゃない。」 社長になる人はみんな経歴がすごい。 奥田社長はマニラでタフネゴをこなし、張社長は工場の用地買収でドブ板営業をしており、章男社長もずっと日陰。実力で掴み取らせる姿勢。与えられた場所で腐らずに取り組み続けること。 一方で豊田家への求心力とのバランスを取ることが必要。 ■トヨタの未来 持ち株会社構想。 社会が何を求め、技術がどんな方向へ進もうともトヨタはトヨタであり続け、社会の公器としての役割を果たさなければならない。 そのため、電子やITなど特定の技術を独占化するサプライヤーが出現した時に、それに振り回されてはいけない。 今の技術アドバンテージを守るためにもグループを再編し、技術をグレープ内に囲い込むことで、トヨタと戦い敗れるかトヨタと組むか二者択一となる未来を描く。 パナソニックとの合併もあるかも。
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結局この本からは、どのようにトヨタを再生していくのかはあまり見えてこず、章男氏の経営手腕はまだ未知数だが、豊田家の歴史や、トヨタグループを知る上のにとても適した本であると思う。 章男氏が社長になるまでのストーリーも面白かった。 新興国でより存在感を強めていくことや、安全に対する信...
結局この本からは、どのようにトヨタを再生していくのかはあまり見えてこず、章男氏の経営手腕はまだ未知数だが、豊田家の歴史や、トヨタグループを知る上のにとても適した本であると思う。 章男氏が社長になるまでのストーリーも面白かった。 新興国でより存在感を強めていくことや、安全に対する信頼の回復、グループの体制刷新など、課題は山積みだが、トヨタにはいつまでもナンバーワンであってもらいたい。
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