剣客群像 新装版 文春文庫

池波正太郎【著】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2009/03/09
• JAN: 9784167142889

商品レビュー

2023/08/31

＜目次＞
略

＜内容＞
1960年から1974年にかけて書かれた短編集。「剣客」（というにはと言う主人公もいるが）をベースに作品集にしたもの。意外と読み応えがあった。

2022/09/03

「 秘伝」師匠の秘伝の書を持ち逃げした弟子と追っていた弟子。その内容は。
「妙音記」柔術で自分に打ち勝った男を婿にしようとする武家の一人娘。
「 かわうそ平内」仇討ちのために力になってもらおうと辻平内の道場を訪ねた杉田兄弟。
「 柔術師弟記」柔術の力量に溺れた弟子と、それに苦悩する師匠の結末。
「 弓の源八」弓矢狂いと言われた源八。父兄に見舞われた事件で思い詰めていたが。
「 寛政女武者」素性を隠していた女中の切ない思いが無残に裏切られ、手裏剣名人として壮絶な最後を遂げる。
「ごろんぼ佐之助」新選組原田佐之助の生涯。噂の後日談も含む。
「ごめんよ」楊枝を作ってばかりの師匠を師事した熊之介。その江戸から明治の生涯。

「 妙音記」妙音ってなんだろ。解説で分かります。
「 弓の源八」艶がある話で、登場人物も爽快。
「 ごめんよ」伊藤博文が出てくるところが面白い。

2019/02/12

（背表紙抜粋）
師匠の残した剣の秘伝書を、三人の弟子が追う「秘伝」
自分より強い男の妻になりたいと望む女武芸者のもだえが切ない「妙音記」
清廉潔白で憤み深いあまり、変わり者と呼ばれる「弓の源八」
武芸にかけては神技の持ち主でありながら、世に出ることなく生涯を送った武芸者八人の姿をユーモラスに描く円熟の短編集。

どうして短編にしちゃったかなー、というのが感想でした。
短すぎて残念。
それと、あまり納得できない、女をバカにしたような作品が一つあったので、それがあまり好きではなく、評価は星3です（完全な好みの問題）。

それぞれ、長編で書いた方が良いくらい、キャラが作りこまれていました。
大好きな新選組の話で、原田左之助の短編も掲載されています。

この中で私が好きな話は、「寛政女武道」という短編。
女という性が犯した過ちが、取り返しがつかなくなる流れになるのですが、それまで生きてきた道があってこその、最大の過ちになっているので、女性であるなら納得のいく作品でした。
長い人生、こんなこともあります。
が、ここまでやらなくても…が江戸時代という時代なのでしょうね。

まあ現代でここまでの事態にはならないと思いますが…。でもこの時代に生きてこその女性のお話でしたので、私は好きです。