うつくしい人

西加奈子【著】

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2009/02/27
• JAN: 9784344016347

商品レビュー

2024/04/30

西加奈子さん、今とても好きな作家さんです。読んでいて止まらなくなるのです。たいていの本が２，３日で読めるのです。
　この本は図書館で偶然手にとりました。んで、２日で読みました。★三つと少なめですが、内容はわるくないです。ただ、インパクトがなくて、そんなことで評価するのもどうかと思いますが、淡々としていることへの評価というか、すみません、
　瀬戸内の島に傷ついた心を癒すために、自分を取り戻すために、はたまた新たに自分を見つめなおすために訪れた旅行記とでもいうのでしょうか。そこは西加奈子さんの世界感があります。
　文中に素敵な外国人が現れます。あら？来たか？！〇✖▽△□◆な成り行きになったら読むのやめようと思いましたが、…いずれにしてもいい成り行きでした。
　本を読んで自分もいい旅をした思いがします。そして本当にいい旅がしたくなりました。

2024/02/14

先程誕生日を迎えたみどるもんすたぁは、さっきまで(夜中1時過ぎ)勉強してましたw

誰に似たんじゃろ…w

ってな事で西加奈子の『うつくしい人』

心苦しいやり切れない思い、分かる、分かるよって言いたくなるw

わしもクズな人間なんで共感出来る、自分自身に置き換えてみたりと…。 ⁡
⁡⁡
⁡西さんの不安定感がハンパ無い感じ、サラバ！にも似た感じの姉への想い。

ちょっと重たい西加奈子って感じの内容じゃったが、あとがきでホッとした気分に成れたw

2015年35冊目

2023/09/23

【あらすじ】
他人の苛立ちに怯え、細心の注意を払いながら重ねていた日々を自らぶちこわしにした百合。会社を辞め、「ただの旅行」で訪れた島のリゾートホテルのバーにいたのは、冴えないがゆえに百合を安心させるバーテンダー坂崎と、暇を持て余す金髪のドイツ人、マティアスだった。美しい瀬戸内海の離島、そこしかないホテルで不思議に近づく三人の距離。地下には、宿泊客が置いていく様々な本が収められた図書室がある。本に挟まっていたという一枚の写真を探すため、ある夜、三人は図書室の本をかたっぱしから開き始める―。会社を逃げ出した女、丁寧な日本語を話す美しい外国人、冴えないバーテンダー。非日常な離島のリゾートホテルで出会った三人を動かす、圧倒的な日常の奇跡。

『私は他人の苛立ちに敏感である。分かりやすいサインなどがなくても、にこにこと笑っていても、その人が苛立っている、ということが分かる。少しでもそれを感じ取ると、萎縮する』

『苛立たせている自分がとても無能な人間であるように思うし、相手の私に対する評価が下がることの恐怖で、いてもたってもいられなくなる。』

『吸収すること、身につけることだけが人間にとって尊い行為なのではない。何かをかなぐり捨て、忘れていくことも大切なのだ。』

【個人的な感想】
「自分」を持ち、常に「自分」であることができる人を羨ましく思い、どうしようもなく惹かれる気持ちに共感した。