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ボルドーの義兄
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2009/03/05 |
JAN | 9784062153614 |
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ボルドーの義兄
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商品レビュー
3.8
17件のお客様レビュー
この作品に限らず、多和田葉子の作品を読むとはっきり言葉に対する感受性がいい意味で狂ってしまうのを感じる。読むにつれてそれまで自明のものとしてあった言葉(「語」や「字」の1つ1つに至るまで)がいちいち個別性を主張し始め、それにしたがって読むスピードも停滞する。自明性に乗っかってペー...
この作品に限らず、多和田葉子の作品を読むとはっきり言葉に対する感受性がいい意味で狂ってしまうのを感じる。読むにつれてそれまで自明のものとしてあった言葉(「語」や「字」の1つ1つに至るまで)がいちいち個別性を主張し始め、それにしたがって読むスピードも停滞する。自明性に乗っかってページを繰ろうとする手と、その自明性を裏切って語が持ちうる独自の意味性を主張させる作家とのスリリングな駆け引き。裏返せばこうした駆け引きが楽しめるのはまさにぼくたちが文字を読む運動に身を任せるからであって、スジを粗略できない臭みもある
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装丁が綺麗なので手にとって頁を捲ってみたら、日本人の小説にはない空気感が面白いと思い読んでみた。 漢字一字の反転がタイトルの日記のようなナンセンス小説のような話で、面白い?どうかな、好きな人は読んでみたら?という感想。ストーリーは繋がっているけれど、どこに着地するのか、行きず...
装丁が綺麗なので手にとって頁を捲ってみたら、日本人の小説にはない空気感が面白いと思い読んでみた。 漢字一字の反転がタイトルの日記のようなナンセンス小説のような話で、面白い?どうかな、好きな人は読んでみたら?という感想。ストーリーは繋がっているけれど、どこに着地するのか、行きずりの日々が不安定な主人公(優奈、というそぐわない名前)の心のようで、どこにも繋がらない感じがした。
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短い断章形式の冒頭に章題のように付された鏡文字で表された漢字。作中で主人公・優奈が日常の出来事を漢字一字で記録するという習慣に因っているのだろう一文字の漢字は、反転していることで違和感を持ちながらも読むことが出来、意味を解し、その状態に慣らされていく内に、次第に普通に記されている...
短い断章形式の冒頭に章題のように付された鏡文字で表された漢字。作中で主人公・優奈が日常の出来事を漢字一字で記録するという習慣に因っているのだろう一文字の漢字は、反転していることで違和感を持ちながらも読むことが出来、意味を解し、その状態に慣らされていく内に、次第に普通に記されている本文の文字に対しても見慣れぬものであるように思えてくる。言葉遊びや言語的なズレや齟齬、異化作用を捉え続ける多和田さんらしい知略。 作中、優奈が読んだハンガリー人作家の本からの引用として出てくる「人類にたくさんの言語が与えられたことは幸せだと感じた。たった一つの言語では、高い塔を建てることくらいしかできないだろう。高い塔というのは危ないものだ。」という言葉。通常人間の混乱と不和の起源として語られる伝説への、逆転した肯定的な見方。これは多和田さんにとっての見方でもあるに違いないと思った。
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