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河は眠らない
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2009/02/25 |
JAN | 9784163711300 |
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河は眠らない
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
一時期、開高健の本を沢山読んでいた。ブグログに登録している開高健の本も30冊を超えている。ただ見てみると、最後に開高健の本をブグログに登録したのは、2010年のことなので、私がまだタイで勤務していた頃、今から13年も前のことになる。たまたま、「開高健 全ノンフィクション」という5...
一時期、開高健の本を沢山読んでいた。ブグログに登録している開高健の本も30冊を超えている。ただ見てみると、最後に開高健の本をブグログに登録したのは、2010年のことなので、私がまだタイで勤務していた頃、今から13年も前のことになる。たまたま、「開高健 全ノンフィクション」という5冊から構成される全集があることを知り、久しぶりに開高健を読みたくなり手にとったもの。「河は眠らない」と題された全集のVOL.1は釣りに関してのエッセイを集めたものである。 私自身は釣りは嗜まない。それでも、開高健の釣りエッセイは面白い。私としては、下記のような文章を面白く読む。いくつか引用してみたい。 【引用1】 ふいに強力にひかれた。竿さきが水につきそうになった。強引なものだった。グイと横暴にひったくるようであった。瞬間、醒めた。あたたかい血が走った。上体を起すようにしてグイと竿をたてた。蒼白な水に波紋が起こり、糸が狂ったようにかけめぐり、リールがジーッ、と鳴った。いくらハンドルを巻きたてても空転し、糸はズルッ、ズルッと重くすべってでていく。大きい。厚い。相当なものだ。とつぜんガスと蒼白を裂いて魚がよことびに跳躍し、落下し、もう一度跳躍し、落下した。首をふり、口をひらき、どっしりとした横腹で水をうつ。あざやかな紅紫色の帯が水しぶきをたてる。無数の宝石の粉が散るようであった。息がつまりそうになった。私は竿にしがみつき。強引につっぱりとおし、空転でもなんでも、ハンドルを巻きたてつづけた。やがて歯車が噛みあって、魚は少しずつ寄ってきた。 【引用1終わり】 【引用2】 キング・サーモン村は荒野のなかの寒村で、「キング・サーモン・イン」という釣師宿が一軒あるきりだったが、道ばたの草むらにはこの小さな、つつましやかな花が見えつかくれつ咲いていて、私たちはその道をたどって川岸におりていく、釣りがすめばまたその道をたどって宿へもどった。雨の日には部屋にたれこめてウィスキーをラッパ飲みしつつ本を読んだり、釣針を研いだりしてすごし、小さな窓から雨に煙る大陸を眺めた。 【引用2終わり】 いずれも美文だと思う。 「引用1」は魚が針にかかり、ほぼ釣りあげられるまでの、技術と緊張と喜びが過不足なく書かれている。 「引用2」はアラスカにキング・サーモン釣りのチャレンジに出かけた時のものであり、一種の紀行文・旅行記として、読んだ者に、そこに行きたいと思わせ、(釣りをしない私の場合には)"雨の日に部屋にたれこめてウィスキーを飲みつつ本を読ん"で過ごしてみたいと思わせる。 文章を、エッセイを読む楽しさを十分に味合わせてくれる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
開高健氏の 「モンゴル大縦断」「チョウザメの大追跡」「モンゴル大釣行「スコットランド紀行」のビデオ四本を観て、 この本の存在を知った。 ビデオの中の美しい映像、珠玉の言葉が ゆっくりとワンシーンワンシーン再現される心地で ページをめくる事ができる幸せ。 深く、やさしく、大きく、ときに厳しく ときに艶っぽく。 人としてもおもしろみが、どのページを開いても 溢れている。
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書き言葉ではなく、映像ドキュメンタリー作品から抜粋した話し言葉によるエッセイ。 小説は初期のものから遺作まで、エッセイもほとんど読んでいる。 ファンにはおなじみの開高節に、久しぶりにほっこりとさせられました
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