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巨人の磯 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2009/03/01 |
JAN | 9784101109404 |
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商品レビュー
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大洗海岸に巨人と見間違えるような膨張した死体が流れ着いた。死体は死後ある期間が来ると体内の臓器にある腐敗物のためにガスが発生して異常に膨れ上がるという。死体はどうやって流れてきたのかトリックが面白い表題作「巨人の磯」 元銀行副頭取の原島は57歳で31歳年下の敬子と再婚する。年下の...
大洗海岸に巨人と見間違えるような膨張した死体が流れ着いた。死体は死後ある期間が来ると体内の臓器にある腐敗物のためにガスが発生して異常に膨れ上がるという。死体はどうやって流れてきたのかトリックが面白い表題作「巨人の磯」 元銀行副頭取の原島は57歳で31歳年下の敬子と再婚する。年下の若い妻をもらった原島は徐々に悲劇に陥っていく。「礼遇の資格」 古代史と絡める「東経139度線」。 この短編集は古代史と絡めながら、動機は人間的な俗物的なもので面白いです。 2023年10月21日読了。
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「松本清張」の短篇集『巨人の磯』を読みました。 『聞かなかった場所』、『或る「小倉日記」伝 傑作短編集〔一〕』、『張込み 傑作短編集〔五〕』、『黒い画集』、『眼の気流』に続き「松本清張」作品ですね。 -----story------------- 一見、犯罪とは無縁な日常生活...
「松本清張」の短篇集『巨人の磯』を読みました。 『聞かなかった場所』、『或る「小倉日記」伝 傑作短編集〔一〕』、『張込み 傑作短編集〔五〕』、『黒い画集』、『眼の気流』に続き「松本清張」作品ですね。 -----story------------- 一見、犯罪とは無縁な日常生活の中に潜んでいる不可解な人間心理を、斬新なアングルと手法でえぐった傑作推理小説集。 大洗海岸に巨人のように膨張して漂着した海外旅行中の県会議員の死体と巨人伝説を巧みに結び付けた『巨人の磯』。 実力はありながら、地味な風貌が災いし、どの組織でも決してトップの椅子にはつけない元銀行副頭取。 男が三十一歳も若いバーのマダムと再婚したとき、悲劇が幕を開ける… 妻の不貞を知った夫の犯行を、その奇抜な凶器と、巧みな人物設定で描『礼遇の資格』。 ほかに、『内なる線影』、『理外の理』、『東経一三九度線』を収録。 一見、犯罪とは無縁な日常生活の中に潜んでいる不可解な人間心理を、斬新なアングルと手法でえぐった傑作推理小説集。 ----------------------- 以下の5篇が収録されています。 ■巨人の磯 ■礼遇の資格 ■内なる線影 ■理外の理 ■東経一三九度線 『巨人の磯』は、水戸大串貝塚の巨人伝説と、大洗海岸に漂着した巨人のように膨張した溺死体を関連付ける古代史推理要素と、アリバイ崩しのミステリ要素を兼ね備えた物語、、、 被害者の県議「水田克二郎」は台湾旅行中のはずであったが、周囲を欺いて帰国していたことが判明… 義弟「広川博」が容疑者として浮上するが、死亡推定時刻にはアリバイがあった。 「水田克二郎」と義妹「トミ子」の関係は想定内でしたが、死亡推定時刻を誤認させるためのトリックには驚かされましたね。 なかなか奇抜なトリックでしたが、法医学の知識が豊富でないと創造できないトリックでしたねぇ。 『礼遇の資格』は、三十一歳年下の女性「敬子」と再婚した、風采のあがらない元銀行副頭取「原島栄四郎」の悲劇を描いた物語、、、 両者の人間性が巧く描かれた作品でしたね… 地位のある人の妻になりたいという結婚目的を最後まで果たそうとした女性の言動に驚かされるとともに、妻の浮気相手を殺し人生の階段を転落した男性があまりにも哀れで同情してしまう作品でした。 殺人の際に使われた凶器が、妻「敬子」の好物で、その後、その凶器を「敬子」に食べさせるという設定が秀逸でしたね。 『内なる線影』は、精神科医「枝村」が、偶然知り合ったヒッピー画家「白水阿良夫」と「白水」の紹介で知り合った画壇の重鎮「目加田茂盛」とその妻「美那子」とともに玄界灘に面したリゾート地で殺人事件に巻き込まれる物語、、、 ノイローゼが原因で投身自殺したと思われた「目加田茂盛」と謎の窒息死体(絞殺によらない短時間での窒息死)で発見された「白水」の死の真相… 慢性的なガス中毒と硫化水素を使った物理的トリックが用いられていましたね。 物理的(科学的)トリックについては、「東野圭吾」の「ガリレオ」シリーズに通じる印象を受けました。 そして、本作も『礼遇の資格』に続き、年の差婚(二十五歳年下の妻)が生んだ悲劇でしたね。 『理外の理』は、娯楽小説誌の編集方針が変更されたことから、時代モノを得意としていた文筆家「須貝玄堂」は持ち込み原稿を没にされ続け、その結果、生活に困窮し、妻にも逃げられ(これまた二十歳くらい年下の妻でしたね… )、自らの作品『縊鬼(いき)』をもとにした復讐を実行する物語、、、 堆積した怨念の恐ろしさを感じさせる作品… 蔵書を詰めた風呂敷という意外な凶器を使い、非力で小柄な老人でも工夫しだいでは殺人を犯すことができるということを証明した意外なトリックが使われていましたね。 『東経一三九度線』は、古代史における大胆な仮説(東経一三九度沿いに新潟から伊豆まで並んでいる太占(ふとまに)の神事を行う五つの神社と卑弥呼("一三九"を"ひみこ"と読む)の東遷を関連付けて考察)と殺人事件を絡めたミステリ作品、、、 妻との密通や職場での上下関係による忍従が動機となり、自動車事故にみせかけた犯行を計画したという展開は、面白くないことはないのですが… ミステリよりも、古代史における大胆な仮説を主張するために書かれた作品のような気がしましたね。 本書に収録された作品は、殺害方法等のトリックが凝っていましたねぇ… 面白かった。 最近、「松本清張」中毒気味ですね。
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推理短編5つ。著者の博学、特に古代史の魅惑が、その重々しさに加えて淡々とした文脈に荘厳な感じを抱かせる。物語の前半に伏線ないまま、終盤にどっと解決に至る説明がなされるところが、そこがポイントとする他の推理小説と違うところか。2016.12.28
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