珊瑚の涙 創元推理文庫

ジャニータシェリダン【著】, 高橋まり子【訳】

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2009/02/13
• JAN: 9784488149055

商品レビュー

2010/10/10

シリーズ第二弾。1940年代のハワイが舞台のミステリー。ストーリーだけでなく、当時の白人とハワイ人、そして移民の日系人をはじめとするアジア人など、それぞれの立場の違いなど、今のハワイとはかなり違う時代背景なども興味深かったです。

2010/09/07

シリーズ２作目。
ヒロインのジャニスは、自作の映画化が決まった駆け出し作家の女性。
１作目では出版が決まってニューヨークに出てきた所での事件でした。
ハワイで映画撮影をすることになり、義妹のリリーと共にハワイへ向かう。船旅ではなぜかモテそうな男性トニーに何かとエスコートされ、うまくいき過ぎのような気がしつつロマンスを楽しんでいた。
到着すると、古くからの父の友人エイヴリー夫妻の屋敷に泊まることに。
だが女主人ジュリアは大怪我で弱っており、家の中で暮らす数人には何か秘密めいた葛藤があるらしい。
ハワイ人の村が敷地内にあり、ジャニスにとっては幼なじみの住む村でもある。
撮影に使えそうな風景があったはずなのだが、会いたい人は姿が見えず、ハワイ人の祈祷が行われているとか、何やらあやしげな噂が渦巻いていた…
隣の屋敷には、ジャニスと学生時代に因縁のあった派手な女性フェイが住んでいるとわかる。
フラダンスが特技だったメイドのマリアが入江に浮かんでいるのをジャニスが発見するが、死体が消え…？
作者がハワイに住んだ経験を生かした独自なエピソードがいいですね。
亡くなった父の面影や書き残した物も登場。
生き生きした描写で、昔の作品と感じさせない。
中国系のリリーの頼りになる相棒ぶりも板に付いてきましたね。
コージーっぽい印象だが、書かれた年代を考えると、そうでもないのかな…

2009/04/17

映画の仕事のためにハワイに戻った小説家ジャニス。しかし懐かしい土地はなにやら不穏な雰囲気で、さらに海で死体を見つけてしまい…。

という訳で、今回の舞台はハワイ。ハワイの生活や風土が興味深く描かれているのだけれど、反対にミステリ部分はお粗末。
自分が狙われているのにその行動予定をみんなに披露してしまうジャニスの間抜けさ加減にはげんなり。こういう行動をとらせるなら、相方リリーとの性格の対比（動と静）をきちんと描いてくれないと、キャラクターが一貫していないように見えてしまう。
あともう少し舞台になっている村やその祭壇での違和感というか不気味感と言うか、そういうものを描かないと事件の怖さが伝わりにくいと思う。
投げっぱなしで回収してないエピソードもあるし。
事件の謎はかなり最初の方で分かってしまう。犯人も。
ハワイの描写がなかったら星はもっと少ないかも。