街道をゆく 新装版(28) 耽羅紀行 朝日文庫

司馬遼太郎【著】

• 販売会社／発売会社: 朝日新聞出版
• 発売年月日: 2009/02/28
• JAN: 9784022644817

商品レビュー

2025/02/11

李朝は1392～1897の500年間続いた
朱子学　労働は卑賤　対外文明を排斥（車等も）
済州島から日本への海流がある
そこの海女が日本でも活躍（延喜式の頃からも）
四・三事件
住民の1/4が虐殺
北側（共産党）と韓国政府with米軍の抗争

2025/02/07

地図を開くと韓国の南の端に大きい島があります。済州島(チェジュド)です。この耽羅のことで古代には独立国だったようです。日本と近いため今は手軽に行ける観光地となっているようです。
司馬さんはこの地を訪ねるのに二人の在日の韓国の友を同伴します。二人ともこの耽羅の出身です。大学の蒙古学科を卒業している司馬さんは東アジアの歴史に造詣が深く、紀行の合間にその蘊蓄を披露しています。韓国出身の友だちへも畏敬や共感が溢れている下りが多くあります。
但し、それだけに李氏が王朝を成立させてから500年という長きに渡り、朱子学という一つのドグマで社会を縛り、近代化を阻んだ歴史を痛烈に批判しています。そして、「激越なほどに誇りが高い」という韓国・朝鮮人を日本に併合してしまった負の歴史に心を傷めています。
お雛様の飾りにある左近の桜、右近の橘。古来、貴族から重用された橘は「常世の国の木」という伝説があり、その秘境は朝鮮の済州島ではないかという説があったそうです。戦後、日本から蜜柑を移植してこの島は全島蜜柑畑になっているということですから、常世を想像させる風景が思い浮かびます。
古来地理的に近いため、良くも悪くも交流の深い日本と朝鮮民族、それぞれの風土や文化の違いや相似が見え隠れして、司馬さんの歴史ガイド付きのツアーに参加したような気分になりました。旅はその地に眠る歴史を知ると味わい深いものになりす。済州島へ訪ねてみたいものです。

2024/03/07

司馬さん今回は済州島へ。済州島は大縮尺の地図で見ると中央の2000mくらいの山に向かって同心円状なので山がちなのかと思っていたのですが、モンゴルが馬を連れて住み着いてしまうほど草原が広がってるのかと驚きました。あと李氏朝鮮の朱子学に対する批判がだいぶ激しくなってますが、日本国内の朱子学に対するときよりも数倍激しい気がするのは気のせいでしょうか？