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十一番目の志士 新装版(下) 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2009/02/09 |
JAN | 9784167663322 |
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商品レビュー
3.6
26件のお客様レビュー
この小説でこの作家はどうしても天堂晋助という架空の人物を描きたかったのかな? どことなく煮え切らない感じで、いまいちその熱量というか、想いが感じられなかったなぁ。 ただ幕末の主要人物の論点整理ではないけれども、この人物を駒にして人物評的紹介が一通りなされていて、その観点で幕末の簡...
この小説でこの作家はどうしても天堂晋助という架空の人物を描きたかったのかな? どことなく煮え切らない感じで、いまいちその熱量というか、想いが感じられなかったなぁ。 ただ幕末の主要人物の論点整理ではないけれども、この人物を駒にして人物評的紹介が一通りなされていて、その観点で幕末の簡単な外観図を手っ取り早く頭に入れたいというリクエストには十分に応えられるものかと。
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幕末の長州の低い身分から出た剣の達人という設定の主人公が実際の歴史のながれに沿って活躍する話だが、主人公のキャラ設定が中途半端で、何がしたいのかフラフラしているうちに物語が終わってしまった感じがした。 かといって、背景的に描かれる実際の歴史の方も誰がストーリーを引っ張るでもなく、...
幕末の長州の低い身分から出た剣の達人という設定の主人公が実際の歴史のながれに沿って活躍する話だが、主人公のキャラ設定が中途半端で、何がしたいのかフラフラしているうちに物語が終わってしまった感じがした。 かといって、背景的に描かれる実際の歴史の方も誰がストーリーを引っ張るでもなく、なんとなく無責任な感が否めなかった。 2023.07.19読了
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「わからないけど」 と、つぶやいた。おのうが言うところでは生きる甲斐もなくきていて、たまたま晋助という男を知り、ごく自然に身をまかせた。いずれは離れてゆく男だということはわかっているが、こうして一緒にいるあいだだけでも亭主だと思いたい。幻覚かもしれないが、この幻覚を自分は楽しんでいる。亭主が長州の間者ならばそれはそれでおもしろく、自分も間者の女房としてあぶない瀬を踏んでみた。やってみると結構たのしくもある。この幻覚のなかでたとえそのために死んでも自分に悔いはない。というのである。 (そういうことかな) と、晋助は自分の身に引きかえておのうという女と、その言葉を想った。この女は幻覚こそ生き甲斐であり、そのために死ねるという。人の一生はそういうことかもしれない。 「おれのやっていることも、おまえよりもすこし大きいだけの幻覚かもしれぬな」 と胸中のつぶやきを、つい言葉に出した。この幻覚を吹き入れてくれたのは高杉晋作であった。幻覚からあやうく醒めようとする晋助を、高杉はややあわて、ふたたび別な操作で吹き入れた。
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