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スペクトラムとしての軽度発達障害2
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 至文堂 |
発売年月日 | 2007/02/10 |
JAN | 9784784354764 |
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スペクトラムとしての軽度発達障害2
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ずいぶん前に購入した本。 発達障害に関する本は、それなりに読んできたつもりだったので、自分の中ではちょっと飽和状態で、しかし、何か物足りないような気分だったときにこの本に出会った。 この本の後に出版された「アスペルガー障害を究める」シリーズはすでに読んでいたので、そこに書いてい...
ずいぶん前に購入した本。 発達障害に関する本は、それなりに読んできたつもりだったので、自分の中ではちょっと飽和状態で、しかし、何か物足りないような気分だったときにこの本に出会った。 この本の後に出版された「アスペルガー障害を究める」シリーズはすでに読んでいたので、そこに書いているのと大体同じようなことだったが、基本的に本を読み返さないたちなので、新たな気持ちで読ませてもらった。 この本のテーマの一つとして「軽度発達障害」とはなんぞや?ということである。 どうも、巷ではやたらめったら軽度発達障害という言葉が飛び交っているが、この言葉は海外にはなく、しかも、その出自がはっきりしていないという。どうやら、何かの講演会かで杉山としろうが「軽度の発達障害」と言ったのが、いつのまにやら「の」がとれてしまって広まったという。 とはいえ、教育現場の教師達と話をしているとやたらこの言葉を聞くし、心理士の中でもこの言葉を使う人が多い。また、この名前を冠する書籍も多数並んでいる。 だけど、僕はこの言葉を聞くたびに「一体それってどういう障害なの?」とずっと疑問に感じていたのである。この言葉を使う人たちの話を聞いている限り、「軽度発達障害」という言葉にはアスペルガー障害もADHD(ADD)も高機能自閉症もPDDも軽度MRも混じっているような印象である。時にはLDもその中に混じっているようだ。 僕は多くの子どもと関わっているが、実際に純粋なLDやADHDは実のところあまり見た事はない。PDDやHFA、あるいはアスペルガー障害などの子どもに多動や学習困難が見られることは非常によくあるが、知的な問題がなくかつ自閉症的要素もない純粋ADHDや純粋LDの数って実はとても少ないのではないかと思ってしまう。 なので、このごちゃ混ぜになっている言葉は、僕にとっては全くピンとこない言葉なのである。 ただでさえ、いろいろなタイプのアスペルガー障害の子がいて、しかも、PDDですら様々なのに、ここでまた、軽度発達障害という概念を持ち込むと、どんな子どもでも軽度発達障害になってしまうのではないかと思ってしまう。 境界性人格障害が、かつてゴミ箱的診断名とされていたのと同じように、以前の発達系のゴミ箱的診断名であったMBDが「軽度発達障害」という名前に変わっただけのような気もするし、アスペルガーにしてもPDDにしても多少ゴミ箱的診断の要素があるように思ってしまう。 僕が子どもと会うときによりどころにしているのは、「自閉的要素があるかないか」という至極単純な考え方である。つまり、自閉症スペクトラムのどのあたりにいるのかということに注意して会っている。 僕のなかの自閉症スペクトラムは 自閉症>MR+HFA>HFA>ASD>PDD(左から順に自閉症度が高い) という風に考えているのである。 必ずしも、この通りではなくて、経験上こういうスペクトラムと診断名との対応関係があるのではないかと勝手に思っているのである。 ちなみに、純粋ADHDや純粋LDはスペクトラムの中には入れていないが、上のスペクトラムには、多動や学習困難がある子ども達も多い(というか、ほとんど?)。先日、某児童精神科医も同じようなことを言っていたので、そうなんだろう。ちなみにADHDとPDDやASDは排他的診断であって、重複して診断されることはないらしい。 結局のところ、あまり診断名にこだわっていると、子どもの抱える具体的なしんどさに向き合えないような気もするので、(自戒の意味も含めて)これからも注意する必要があるだろう。 ところで、この本には当事者の声も掲載されているが、やはり当事者の声は面白い。 その一方で、当事者の声から、教育という現場での彼らの行きにくさとともに、(自身の現場での体験を含めて)理解のない教師の多さにつくづくがっかりしてしまうのである。
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