モア・リポート(1) 集英社文庫

モア・リポート班(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 1985/12/01
• JAN: 9784087490664

商品レビュー

2016/08/12

1980年と81年に雑誌『モア』で実施された、女性の性に関するアンケートの結果をまとめた本です。17歳から52歳まで、43人の女性たちが、みずからのセクシュアリティについて語っています。

小谷野敦が本書に言及していたので、もっぱら興味本位で手にとってみました。刊行当時は、それまで表立って語られることのなかった女性の性を正面から扱っているということで、革命的な意義を持っていたのだろうと思います。

何よりも、一人ひとり異なる性の考え方、感じ方が、ていねいに語られていることが印象的です。たとえば、23歳のＯＬの女性は「あなたのオーガズムはどんな感じですか」という質問に対して、「クリトリスに集中していた感覚がワギナに広がり、それまでの“熱い”という感覚が、一瞬“冷たい”感覚に変わる。快感が子宮に広がり、体の内部が空洞となり、下腹部が落ちてゆく感じがする。下腹部の感覚がすべてになり、ワギナから体の内部がすべて排出される感じがし、その直後にワギナ、肛門が体の内部に強く引き込まれるように収縮し、それが三～五秒続き、その後、細かな収縮が十秒くらい続けて起こる。そして収縮が終わると、感覚は頭に戻る」と、非常に詳しくみずからの身体と心の変化を報告しています。

ただ、こうしたありのままの感じ方を正直に語ること自体が、解放へ向けてのラディカルな試みでありえた時代から、私たちが遠く離れてしまったことを意識せずにはおれません。

2016/05/14

高級女性誌「MORE」編集部が、1980～1881年に行ったアンケートを基に発行された単行本の文庫化。単行本発行時のキャッチコピーは「今、女たちが自らの口で『性』を語りはじめ
た」というものだったが、その内容の生々しさは、当時の出版界に大きな衝撃を与えた。というのも、このアンケートを実施した「MORE」は「ファッション雑誌」で、そのような特集を
載せるとは思われていなかったから。である。
その内容は、今呼んでみても本当に生々しい。一読して感じることは、男性がいかに女性の身体のことを理解していないか、ということ。そして「SEX」というのは汚らわしいものではな
く、男と女のコミュニケーションの一種として捉えて欲しいと思っている女性が、思っていたよりも多いということである。あれから30数年経ち、世間のSEXに対する認識はかなり変わっ
たと思っている。そして、勇気を出してこのアンケートに協力してくれた女性たちに感謝したい。

2009/03/07

1989.3.20　7刷　￥480
女性たちは自分のからだがどうすれば心地よく感じるのか、どうすれば自由に、確実にオーガズムを得られるのかを知っている。にもかかわらず、多くの女性が男性とのセックスでは、その快感を自分のものとして享受できないでいるのは、なぜだろうか――。本書では、大切な男女の関係を見直し、真に理解を深めるために、女性のセクシュアリティについての新しい考え方をさぐる。解説・森瑶子