大都市産地の地域優位性 大阪経済大学研究叢書

山本俊一郎【著】

• 販売会社／発売会社: ナカニシヤ出版
• 発売年月日: 2008/12/10
• JAN: 9784779502910

商品レビュー

2012/08/20

神戸市長田区のケミカルシューズ産地と東京都台東区の履物産地を比較して、その産地の成立・維持条件をていねいなアンケートやインタビューに基づいて整理・分析した本です。

神戸市長田区はケミカルシューズ主体、東京都台東区は皮革靴主体ということで、そもそもの価格帯・販売先が異なっていましたが、阪神大震災以降の生産力低下時期に海外産品が多く輸入されたことをきっかけに、ケミカルシューズも上方にシフトすることになり部分的に重なるようになったようです。

長田の復旧はおおむね5ヶ月程度で達成された背景には、強力な産地内ネットワークの存在があるようです。このような産地内ネットワークは台東区でも見られ、大都市に産地が維持される大きな要因となっているようです。やはり情報をどこが押さえ、どこで分配するのかが最も大きなポイントのようです。