グローバル・ジハード

松本光弘【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2008/12/03
• JAN: 9784062151542

商品レビュー

2015/10/02

ビンラディンやイスラム原理主義思想の背景がかなり詳しく書いてありアラブ民族の考え方の一部が理解できたような気がする。自分の理解力の問題で全ては理解できなかったが、過去のテロ事件での犯人側の思考回路とか東南アジアやチェチェンのイスラム原理主義がアルカイダとどう関わってるかなど整理されていて読んで良かった。日本にもグローバルジハードの基盤ができつつあると思わせる記述も多い。情報多く筆もノリノリ。「アルカイダ星雲」とか「勝手にアルカイダ」とか初めて聞いた。ヨーロッパ移民の子孫は社会では差別され因習にとらわれる両親にも救いを見いだせず、、のくだりが。

2015/03/26

ISISに関するニュースを見聞きしても、前提知識が全くなくて、問題点とかがさっぱりなので読んでみた。内容が内容なので、ファクターの多さと関係の複雑性もあり、一回の通読で全体像を掴むのは困難かもしれない。ただ、文章は重要ポイントが繰り返されたり、難解な語句には説明が加えられたりされており筆者の配慮がうかがえる。構成はある程度の前提知識を要求してくるので読み解きにくい部分があるのかもしれない。しかしながら、イスラム主義の大まかな全体像と問題点を掴むには問題ないだろう。また、ジハード主義の問題に留まない様々な問題に演繹的に応用できる理論や考え方についても触れられているので、その点でも参考になるだろう。

2014/09/28

【１１８冊目】元・警察庁国際テロリズム対策課長が書いた、イスラム過激派テロに関する教科書。
The former director of counter terrorism division of National Police Agency Japan wrote this textbook regarding terrorism by Islamic extremists.

アル・カーイダを理解する上で重要な概念である「グローバル・ジハード」について、その歴史的背景とその姿、そして対策について詳述した本作。一回読んだだけでは理解できないくらい難解。だけど、彼らの思想を理解せずに日々のニュースだけを追っているだけでは、ISとアル・カーイダの違いはおろか、イスラム教とアル・カーイダの違いすら曖昧なままだったかもしれない。
本書が出版されてから６年。ISがアル・カーイダにもできなかった領域支配を実現しつつある。しかし、世界各地でテロ計画が摘発されているニュースを見ていると、グローバル・ジハードという思想は生き続けているように見える。

Global Jihad is an important concept in understanding what al-Qaeda is. This work gives detailed explanation of a historical background, a figure of Global Jihad and a counter-measure against it. This book is too difficult to understand it perfectly so I need to read it again and again. Chasing every news does not provide you with acknowledgment of the difference between al-Qaeda and IS. Without this book, I might not be able to tell al-Qaeda and Islam (Now I understand al-Qaeda is totally different from Islam which most Muslims believe).
It's been six years since this work was published. IS is gaining its own territory, which even al-Qaeda cannot do. But I find news reporting terrorism plots all over the world every day, which makes me think that Global Jihad still survives.