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失われた場を探して ロストジェネレーションの社会学
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失われた場を探して ロストジェネレーションの社会学

メアリー・C.ブリントン【著】, 玄田有史【解説】, 池村千秋【訳】

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失われた場を探して ロストジェネレーションの社会学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NTT出版
発売年月日 2008/12/01
JAN 9784757142060

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商品レビュー

3.7

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2023/05/06

アメリカ人社会学者メアリー・ブリントンによる日本のロスジェネ分析本となります。「ロストジェネレーション」とは1990年代前半(バブル崩壊)から2000年代前半までの就職氷河期時代に学校を卒業し、社会人(あるいは会社人)になるにあたって並々ならぬ苦闘をした世代ですが、本書ではこれら...

アメリカ人社会学者メアリー・ブリントンによる日本のロスジェネ分析本となります。「ロストジェネレーション」とは1990年代前半(バブル崩壊)から2000年代前半までの就職氷河期時代に学校を卒業し、社会人(あるいは会社人)になるにあたって並々ならぬ苦闘をした世代ですが、本書ではこれらの世代にとって失われたものとは、「場」およびそれをつなぐ「つながり」であると分析しています。 具体的にはどういうことか。ロスジェネ以前の高度経済成長期の日本では、高校という場から会社という場へのリンクは極めて強く自動的とも言えました。つまり、高校と企業の採用担当の関係が密接で、高校生は自分で深く考えることなく先生の言うとおりにしていればそれなりの企業に就職できたわけです。これは世界的に見てもむしろ例外で恵まれすぎていた状況であったわけです。しかしバブルが崩壊し求人数が激減、さらに日本経済がサービス化するにつれて、アルバイト的な求人が増えたということで、高校と企業の関係が希薄化します。言い換えれば、ロスジェネにとって失われたものとは、所属することで安心感を得られる確固たる「場」であり、原題にもあるようにロスト・イン・トランジション(場から場への移行ができず道に迷っている人々)が引き起こされたというわけです。これをシモーヌ・ヴェイユ流にいうなら、ロスジェネとは「根こぎ」の状態になった人々だとも言えるでしょう。そしてそれを少しでも癒しているものとしては、本書にも述べられているように家族や友人、あるいは最近ですとソーシャル・メディアのようなデジタルの場なのかもしれません(注:もちろんSNSはむしろ誹謗中傷に晒されるという真逆の場にもなりかねませんが)。 本書では大規模なサーベイデータやインタビュー調査などをもとに、特に学力レベルが低い普通高校の卒業生にその傾向(ロスト・イン・トランジション)が強いことを定量的に示しています。さらに、アメリカの学生の例を参考として挙げながら、特定の場や人々に対する強いつながり(ストロング・タイズ)だけでなく、これからの日本人は弱いつながり(ウィーク・タイズ)を構築することでこの難局を乗り切れるはずだというような提言も書かれており、学者が書くいわゆる冷徹な論文ではなく、端々から著者の日本愛も感じられる良書でした。

Posted by ブクログ

2019/09/23

ちょっと期待してしまったが、それほどではなかった。著者は真面目な人だが、日本全体を俯瞰しきれていないかんじはいなめない。

Posted by ブクログ

2018/03/10

『ヤンキー文化論序説』を読んで、少し気になっていた、 ヤンキーの受け皿としての職場がなくなりつつある現象について、 少しまとめて論じている本を探しているうちに、この本にたどり着いた。 ハーバードの社会学者が書いた、底辺校を中心とした高校生の進路の時系列での変化を語った本。 特に高...

『ヤンキー文化論序説』を読んで、少し気になっていた、 ヤンキーの受け皿としての職場がなくなりつつある現象について、 少しまとめて論じている本を探しているうちに、この本にたどり着いた。 ハーバードの社会学者が書いた、底辺校を中心とした高校生の進路の時系列での変化を語った本。 特に高卒で就職をする際の、日本独自の風習とその崩壊について。 進路指導の先生が中心となって、毎年コンスタントに一定数の生徒を、決まった企業に送り込むシステムが、 機能していた時期から、グローバル化の進展に伴い崩壊した現在まで。その変化を、データを交えて説明している。 著者が、90年代、日本の大学や研究機関で研究を発表するときに感じたという、 「ほかの惑星の話でもしているのか」という聴衆の態度には頷かされる。 ヤンキーについて語る言説が少ないのと同様に、わざわざ底辺校に調査に赴いて、 この失われた15年の間に就職口の内定プロセスはどう変わっていったかを探った人もいなかったということだろう。 彼らはあまりにその環境に埋め込まれていて、 底辺校の生徒たちの人生のことなど、見下す以外の視点を見いだせなかったのだ。 自分自身も、今はこんな仕事をしているが、元はといえば、 偏差値で輪切りにしただけの普通高校に背を向け、早く技術を身につけたいと高専に行ってはみたものの、 先輩たちのあまりの就職内定率の悪さに、途中で抜け出し、迷走。 そして気づいたら資産運用の世界でファンドマネージャーに、の人生。 ストロングタイズを当てにしてたら、絶対にここには来てないし、 ウィークタイズを当てにするほどこの世界に知った人がいたわけでもない。 運とか巡り合わせを感じる。また、一方で、ここに立ちながらの違和感を説明してくれるものを求めて、 この手の本に手が伸びるのだろう。 浜省ではないが、「生まれたところを遠く離れて」の気分。 高専生時代、とある工場に見学に行ったとき、卒業生が出迎えてくれて、講演をしてくれた。 その先輩は、 「大卒の人より二年早く社会に出て働くっていうことは、会社にとってはいいことなんですよ。」 と力説していた。 そのとき即座に、会社にとっていいことでも、個人にとってはどうなの? と感じた自分がいて、そのもやもやとした感じが、結局あそこを飛び出した理由の一つ。 答えはどうであったろう。 少なくとも、その工場は、その後生産設備の全面的な中国移転と共に閉鎖され、 その先輩が今どうしているのかなんてことも、わからない。 その工場が閉鎖されてからは、たぶんその会社からの求人票はあの学校に届かなくなっていただろうし、 その意味で我々は、まさにロストジェネレーションのただ中を生きてきたわけだ。 あと、出版が2008年なので、調査時点ではまだ2007年までの好況の時期を反映してか、 我々のようなロスト・ジェネレーションと、その好況期に、団塊世代の集団退職と入れ替わりに補充されてきた、 新卒=ポスト・ロスト・ジェネレーションの格差の拡大の可能性について述べている。 ただこれも、もしかしたら可能性のままで終わってしまうかもしれない。 もう来春に向けての就職活動の環境には、厳しい声しか聞こえてこないし、 ゆるゆるの採用体制下で拡充されたポスト・ロスト・ジェネレーションの彼らも、 今後しばらく採用が止まるならば、給与もろくにあがらない環境のもと、 後輩たちを配下につけてもらえることもなく、ただ働き続けることだけを求められるだろうから。 その果実といい期間といい、バブル世代が享受した「いい思い」との差の何と大きいことよ。 しかし日本の社会学研究なのですが、引用元や共同研究が、 苅谷剛彦氏や玄田有史氏、本田由紀女史あたりで、ことごとく東大の社会学研究室とは関わりない。 昔、佐藤俊樹氏が、授業で、日本で社会学の統計をまともにやれるところはない、 と自嘲気味にいっておられましたが、そういうのも関係あるかもしれません。 この本でも簡単な回帰分析を使ったりしていますが、そういえばそういう社会学の本は、あんまり日本では主流ではないような。 で、その原因って、単に東大の社会学の学生が、もとをただせば文Ⅲだからじゃないでしょうか。 数学や理科が不得意だから文系、それも一番受かりやすい文Ⅲにしたような連中ですからねぇ。 統計を道具に、事象を考えたい人も、考えられる人もいないような・・・。 いや、偏見です。

Posted by ブクログ

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