コストを下げれば、品質は上がる 「物創り」革新の現場学

三木博幸【著】

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞出版社
• 発売年月日: 2008/11/17
• JAN: 9784532314255

商品レビュー

2014/06/01

クボタ機械設計の社長が書いた本。
コストを下げなくてはいけない、しかし品質は落とせないという開発者のジレンマに対する本。
しかし内容はそういった手法に関する事柄だけでなく、開発者・設計者として必要な心構えや哲学が書いてあり、とても勉強になる良い本でした。

おもしろいなと思った観点
・開発３強教育（意識（市場）・やり方（コスト）・技量（図面））
・design to cost　の意識
・Impressed point（模倣）とProblematic point（実際）の抽出
・攻めの開発　35％の割安感を出させるフルモデルチェンジ

開発者は２人の自分を持つべき。１人はあるがままの自分。もう一人はプロとしての自分。
開発の仕事を志した初心‐だれもやったことがない新技術や製品を現実に創り出してみたいという夢、そしてそれをやり遂げる喜び-を忘れない人は一時的に心の弱さ（諦観・焦り・怠慢・不平不満）を見せたとしても乗り越えてしまいます。

まずは自分のために働く。それが満たされて初めて、会社のため、人のため、世のためという筋道が見えてくる。

2013/08/11

この本は著者の業務経験とコストダウンの大切さについて書かれた本です。
著者の経験したプロジェクトX的なものは冗長で面白味に欠けますが、現場レベルから伝わるコストダウンの重要性は強く伝わって来ます。
大学の先生が書いたものは体系化されて読みやすいのですが、そうでなくても現場の方の気気付きやノウハウは産業における智の源泉である事が判る一冊です。