「型」と日本人 品性ある国の作法と美意識 PHP新書

武光誠【著】

• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2008/11/28
• JAN: 9784569703350

商品レビュー

2018/02/06

タイトルから想像していた内容と、ずいぶん違う。
日本的価値観は素晴らしい。
西洋的価値観はダメ。
別にそう思ってくれるのは勝手だし対立項と考えるところ自体が西洋的かねえと思わなくもないし、じゃあ、国際ってところで考えるところでどうするんだって実際論もないし、論の根拠になってる事実の提示もなければ、因果逆じゃねえのとか、直関係がないんじゃないのとか、元に何があったのかは知らないが、自分の頭の中のストーリーに合わせて物を解釈してる感。
まだ書の最初の方だが、量子論の果てにインターネットがあるとか何言いたいのか判らないでもないが、なんで言ってるのか判らなかったり。

共感できるところもあるんだが、読み切るまで付き合うほど時間がないわ。

2017/04/07

巻頭しばらくは、原理主義かと思わせるくらいの右寄りだが、読み進める内に頷ける。
縄文時代あたりからの件は、シャーマニズムと神道を一緒にするのが、どうも個人的にはすんなりこないが、以降に関しては共感できる、日本の美徳と呼べることが多々。

茶道、借景、庭園、華道、その他諸々、東山文化の頃が、現在の言う日本美の源流だと思う。引き算の美学が日本の美意識なんだと思うね。

何も武士道精神を引っ張り出すことなく、江戸の町人文化が、平和な徳川時代に合っていたのは、しかるべきというか。

グローバル社会の中で、島国も何もなく、改めて、そうだよな、日本人の良いところって、こういう歴史的背景から来るんだよな、と再確認するには良い一冊。

ただ、随分と極論が散見するのは否めない。

2012/01/11

日本の歴史の底に流れる「型」の文化について説明された書。

「型」と日本人

サブタイトルに
『品性ある国の作法と美意識』とあるが、タイトルに忠実な本だと感じた。

西洋的な伝統とは違い、古い伝統を持つ日本独自の品性を”日本的な合理性”とし、「義理」「人情」「粋」や「わび」「さび」「幽玄」「もののあはれ」などについて、そこに現れる型とともに解説がなされている。

特に、平安、鎌倉、室町、江戸の時代の代表的な作品や話をおりまぜ、分かりやすくすすめられているので勉強になる。

やや欧米文化に対して批判的になっている感は否めないものの、それだけに対照的な日本の「型」についての説明が分かりやすく感じた。

最終章において「伝統的作法の変質」として、近現代における日本人の価値観や型についての変質に対して警鐘が鳴らされている点が興味深い。

日本的な価値観についての再発見ができるとともに、日本人であることについての誇が持てるような、非常に素晴らしい本だと思う。