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バルザック全集(3) あら皮/追放者/シャベール大佐
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 1977/04/01 |
JAN | 9784488019037 |
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バルザック全集(3)
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『追放者』1831年・・・哲学的研究 パリのシテ島(ノートルダム寺院がある場所で、セーヌに浮かぶ小さな島。パリはこの土地から発達した)にぼちぼち家が建ち始めた14世紀初頭、そのシテに住むジョゼフ・ティールシェールという警吏は、自宅の二階部分を外国人に貸し賃料をとっていた。 二階の外国人は、老人と若い青年で、ふたりを身分の高そうな女人が時々尋ねてくる。 ある日、常々間借人たちが胡散くさいと思っていた警吏は、彼らをめぐって派手な夫婦喧嘩をし、彼らを追い出すことに決めた。 そんな密議が交わされていたころ、老人と青年は舟に乗って外出する。彼らの行き先はパリ大学。 神秘学で有名なシジエーリの講義に出席するためだった。 シジエーリ教授は現れたふたりの異邦人たちを恭しい様子で厚遇し、講義をはじめた。 講義の内容は、復活や天国と地獄に関する理論で大きな喝采を得る。 異国の老人もシジエーリを賞賛し、シジエーリは、 「どうぞ、あなたの一行を!それは私に人間としての不滅を与えてくださいますでしょう」と答える。 帰りの舟で老人は、天国への憧憬を持つ美しい若き青年に、国を追放された身の故国への哀愁を語る。 警吏の家に帰宅して間もなく老人の元へ一人の兵士が駆けつけ、 「われわれはフィレンツェに帰ることができますぞ」と叫ぶ。 老人はイタリアの偉大なる詩人、ダンテ・アリギエーリだったのだ。 そこへ時折訪れていた美しい女人が青年に自分が母親であることを告白し、その若者を伴いつつ「いざ発とう。法王派よ滅べ」とダンテは立ち上がる。 先日読んだバルザックは、ドン・ジュアンを登場させたが(『不老長寿の霊薬』)、今度はダンテを登場させシジエーリ教授の口を通してバルザック自身の世界観を語らせる。 本編には詩的表現も多く用いられバルザックの非凡な文学的資質の所産ともいえる。 ダンテが、パリに逗留したか否かは不明らしいが、ボカッチオの『ダンテ伝』の中に「彼はパリに行ってそこで神学と哲学の研究に没頭した」という一節があるようです。 シジエーリに関しては、集英社『神曲 天国篇』の註を引用してみます。 -フランスの哲学者シジェール・ド・ブラバン(1235-81頃)アヴェロエスの信奉者で、パリ大学の教授。その行蔵は殆ど知られていないがアリストテレスの哲学をいかに教えるのかの問題に関し、パリ大学の非聖職教授たちと托鉢修道士の教授たちの間で起こった烈しい論争の前者の立役者であったことは明らか。世界の永遠性や二重真理説などを弁証し、トマス・アクィナスやアルベルトゥス・マグヌスの反駁を受け1277年にパリの司教に破門され、異端審判を受ける前、教皇に直訴するためにローマに逃れた。1281年と84年の間にオルヴィエートで下僕に刺殺されたと信じられている- 『神曲 天国篇』の第十歌に 「藁の街に講筵を布き、嫉ましいほどの心理を三段論法で証明したシジエーリの、永遠に消えぬ光」 1799年生まれのバルザックは当然『神曲』にダンテがシジエーリに不滅の一行を与えていたことを知っていたし、ボカッチオの『ダンテ伝』も読んでいたかもしれません。 時代背景を14世紀に設定し、その風俗描写も雄弁で、当時、超自然的な力に民衆は怖れと好奇心を持ち、そのあたり、冒頭の警吏夫婦のやりとりで可視的に伝わってくる。 本篇は、東京創元社から1973年に出された『バルザック全集第三巻』読んだ。 訳は、河盛好蔵 --------------------------------------------------------------------------------- ■小説89篇と総序を加えた90篇が「人間喜劇」の著作とされる。 ■分類 ・風俗研究 (私生活情景、地方生活情景、パリ生活情景、政治生活情景、軍隊生活情景、田園生活情景) ・哲学的研究 ・分析的研究 ■真白読了 『ふくろう党』+『ゴリオ爺さん』+『谷間の百合』+『ウジェニー・グランデ』+『Z・マルカス』+『知られざる傑作』+『砂漠の灼熱』+『エル・ヴェルデュゴ』+『恐怖政治の一挿話』+『ことづて』+『柘榴屋敷』+『セザール・ビロトー』+『戦をやめたメルモット(神と和解したメルモス)』+『偽りの愛人』+『シャベール大佐』+『ソーの舞踏会』+『サラジーヌ』+『不老長寿の霊薬』+『追放者』+『総序』 計20篇
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『あら皮』『追放者』『シャベール大佐』収録。 『シャベール大佐』の時の代訴人事務所が楽しげすぎ。そしてまだあの辺みんな若いんだなー(笑) あんなしてわらわら仕事してんだー同時期の他の話の時もいつもー。 ほへー。
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